人にやさしい検査法
2011年3月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 昔も今も医学的な検査は嫌いという方が多いようです。その原因としては、検査して悪い結果が出るのが恐ろしいので、受けたくないという方もいますが(これは別問題として)、多くはやはり検査を受けるとき苦しいとか、痛かったからというのが大部分ではないでしょうか。しかし患者さんに少しでも苦痛を与えないようにと医学が進歩してきています。
 例えば、すでに普及した感のある胃内視鏡(いわゆる胃カメラ)も口から呑みこむのがひどいと云う人も多いのですが、最近は太さがぐっと細くなり、鼻から入れることが可能になりなした。これは「経鼻内視鏡」といって、喉を通るときほとんどむせることが少なくなりました。
 このような例はいろいろ出てきましたが、最も楽になってのは、血管系の検査ではないでしょうか。従来は脳血管、心臓血管、その他体の各部の血管系を調べるには「カテーテル」という管を股の動脈に刺して目的の部位まで運ばなくてはなりませんでした。そのため検査が終わってからも、後に出血しないよう寝たきりの安静や圧迫等を必要とし、最低一晩入院するので大変でした。
 しかし、最近はCT検査(レントゲン線による体の輪切り像を撮る)やMRI検査(強力な磁力を利用した画像を撮る)でカテーテルを用いなくても血管造影が出来る方法が開発されています。
 CTの性能も日々向上しており、短時間で撮影終了するようになりました。たとえば、「CT冠動脈[心臓の動脈)造影」では、腕の静脈から造影剤を注射し、10秒間だけ息止めをするだけで終了します。ただしヨード剤にアレルギーの人には不向きですし、レントゲン線を用いるため頻回の検査には制限があります。
 また造影剤が使えない人には,「MRA冠動脈造影法」という方法があります。
これは息止めが不要で、息止めの難しい高齢者や小児にも向きます。ただしこれはペースメーカー装着者や心臓血管に金属製のチューブ(ステント)の入っている人には使われません。
 このように最新の機械といえども、それぞれ一長一短があり、万能という機械はありません。場合による使い分けが必要とされていることをご理解下さい。

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