おなかの赤ちゃんへのメッセージ
2011年7月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 3・11の大震災・原発爆発事故以来、福島県では毎日のように放射能汚染の様子が報道されています。やれ「ホットスポット」やれ「プルーム」とか・・・・
 さあ福島市民はどうしたらよいか
最近某週刊誌に『29万市民 福島市は危ない』というセンセーショナルな記事が掲載されました。その内容によると、福島市の放射線量は国の定めた基準値を大幅に上回ったホットスポットがあるから、29万市民は早急に避難すべきだというのです。
 おなかの赤ちゃんへの影響について
 それでは福島市の子供たちや妊婦のお母さん方は不安にさいなまれ、県外に全員「逃散(江戸時代の言葉でチョウサンと呼びます)」するしかないのでしょうか。そこで今回福島市においておなかの赤ちゃんへの影響はどうなのか私なりに調べてみました。
 おなかの赤ちゃんに影響が出る放射線量は「100ミリシーベルト(mSV)以上」とされています(国際放射線防護委員会勧告ICRPより)。しかし日本産婦人科学会ではより安全な基準を目指して「50mSV」以上とし、それ以下を目指すようにとしています。
 福島市の外部被曝量は
 福島市の3月13日から6月14日における外部被曝の合計は5.72mSVと出ました。これから被曝する量を1時間当たり平均1.35マイクロシーベルト(μSV)と仮定して計算すると、1年間で14.60mSVと推定されます。これは3月15日から丸1日屋外で過ごし場合を想定した計算ですので、実際はこの半分以下になるでしょう。
 福島市の内部被曝量は
 紙面がないので詳細を省かざるを得ないのが残念ですが、仮に国の暫定規定値200ベクレルの水をお母さんが毎日2L飲み、500ベクレルの食物を毎日1.2Kgを妊娠期間(280日間)摂ったとした場合、胎児の内部被曝量をミリシーベルトに換算すると1.93mSVという数値が出ました。
 したがって、外部被曝の年間最大値(14.6mSV)および胎内時内部被曝(1.93msv)の両方から考慮しても、おなかの赤ちゃんへの影響は考え難いという結論に至りました。
 とはいえ、これには批判もあることは百も承知の上ですが、私は原爆症チェルノブイリに詳しい山下俊一長崎大教授(福島県健康リスク管理アドバイザー)のアドバイスを支持するものです。
注;(1)1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルト
  (2)物体に対する放射能の強さはベクレル(Bq)の単位で表され、.野菜に
  掛った放射の強さはこの単位が用いられ、生体(人体)の細胞に影響を及
  ぼす単位はシーベルトで表されます。

健康アドバイス

 

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