糖尿病の今までの基準が変わりました! | |
2012年6月 福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男 |
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日本は第6位ですが、それでも2000万人を超えていますし、さらに増加の一途をたどっています。そのため国も躍起となって対策を施しています。(が、あまり成果が挙がっていないのが実情のようですね。) 新しく発足した市民健診(特定健診・特定保健指導)にも、検査項目として「空腹時血糖値」と「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」が組み込まれていて、糖尿病の予防を狙っています。そのためいずれの基準値とも医学的基準値より低めに設定されています。HbA1cは、医学的な基準値(正常値)では5.8%以下となっていますが、特定健診では[5.2%以下]と定められています。ここがちょっと誤解され易い点で、ご注意下さい。 さて、HbA1cとはどのようなものなのでしょうか。Hb(ヘモグロビン)は血液で酸素を運搬する大切な成分としてよく知られていますが、このA1cという部分にブドウ糖が結びやすいのです。ですから血液中のブドウ糖が多いほどHbA1cの値は高くなり、糖尿病の進み具合の目安になるわけです。 ところでHbA1cの基準値は、日本では日本糖尿病学会が1999年に定めた値(JDS値といい、5.8%以下とする)が採用されていましたが、国際的には「6.5%以下とするNGSP値」が通用しています。奇妙なことに測定方法が同じであるにもかかわらず、国際値より0.4低い日本のJDS値がガラパゴス化していたのでした。そのため国際的な統計処理や海外の学術発表の時などに大きな不便が生じています。 そこで、今年の4月から「日本の基準値 DJS」に0.4加えて「国際基準値 NGSP」に合わせることになりました。つまり日本の基準値も正式に「6.2%以下」と表示されることになります。 実は、突然基準値を変更するということは大変大きな問題を抱えています。特に現在糖尿病を治療中の患者さんにとって混乱が生じるのではないかと懸念されています。今まで頑張っていつも「HbA1cが6.5%以下」で主治医の先生から誉められていたのに、4月になって0.4加算され急に「6.5以上」になったら、悪化したのかとビックリする患者さんがいるかも知れません。これからは人間ドックや健診においても、「JDS値」か、それとも「NGSP値」かをはっきりと確認しておくことが大切です。 |
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