夏にも多い脳梗塞 | |
2012年8月 福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男 |
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脳梗塞は加齢とともに起こり易く、特に高血圧、糖尿病、コレステロールなどが高い高脂血症など生活習慣病のある人に起こり易いので要注意です。 さて脳梗塞や心筋梗塞は冬に発生しやすいことで有名ですが、夏も起こり易い季節であることは案外知られていません。 冬のような寒い時期に暖かい場所から急に寒い所に移りますと、脳や心臓の血管が急に縮こまり、そこの血液の流れが悪くなります。その結果血液が運ぶ酸素の供給が途絶えて、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすという訳です。 ところが夏の暑い時期は血管が広がり、血流は十分にあるはずと思われますが、夏も脳梗塞が起こり易いとはどのような理由からなのでしょうか。これは脱水症が大きく関与しているからなのです。体の水分が不足すると血液が粘って血の塊が出来やすくなりますし、詰まり易くなります。そこで夏場は熱中症対策とともに脳梗塞予防も大きな課題となります。 そのためには小まめな水分補給がとても大切です。特に中高年者はのどの渇きが感じにくくなっているので、喉の渇きを感じなくても「定期的に水分を摂る」ことが肝心です。食後にお茶や入浴後コップ一杯の水を飲む、外出時には水や麦茶を持参するなど水分の補給をこまめにすることに努めましょう。 脳梗塞ある時突然起こります。その主な症状は次のようなものがあります。 (1) 片側麻痺;何かの拍子に片側の脱力、麻痺を来す。(左で持っていた茶碗をポロリと落とした。右手の箸が使えなくなった。) (2) 言語障害;急にろれつが回らなくなる。意味のある言葉が話せない。 (3) めまい、歩行障害;めまいが強くて立っていられない。足がもつれて真っ直ぐに歩けない。(梅ちゃんのお父さんはこのケースに当たるようですね) 脳梗塞が起こった部位によって、また程度よって症状はさまざまですが、おかしいと気がついたらすぐに医療機関に診てもらって下さい。なおこうした症状が2,3分から長くても30分で治まる場合(一過性脳虚血発作TIA)がありますが 、放置すると本物の重症の脳梗塞になってしまうことも少なからずありますので放置せず必ず受診しましょう。 |
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