こどもはご用心 RSウィルスによる風邪が流行りそうです | |
2012年11月 福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男 |
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普段の傾向として患者の発生は1月をピークとして夏は患者が少ないのですが、この2,3年前から全国的に夏季に患者が増えている傾向がみられます。そして福島県における今年7月の発生率は全国平均より2倍くらい高くなっており、そのうち90%を3歳以下の乳幼児が占めています。 RSウィルスは麻疹ウィルスと同じ属にあるウィルスで、肺細胞を合胞体化する、つまり肺の細胞を腫らして一体化してしまう力をもっています。そのため重症化すれば肺炎を引き起こしてしまいます。 先に子供の患者が9割を占めるといいましたが、もちろん大人も罹ります。大人の場合は、感染しても症状は一般の軽い風邪程度で過ごしてしまいます。しかし感染力は非常に強く、家族内で大人は大したことないように思っても、抵抗力の弱いその子供にはもっと大きな影響があるかもしれません。 感染経路はインフルエンザと同じく飛沫感染です。つまり感染者の鼻汁、痰などが咳で飛び散り、そこで汚染された手や物を介してうつります。感染した幼児、特に1歳未満の乳児の場合は重篤な肺炎に陥ることもあるので、注意が必要です。もし熱があり「ひどい咳がでる」「呼吸が早い」「息苦しそうにしている」「いつもより元気がなくグダっとしている」「顔色が悪い」などの症状が見られたら、早めに病医院を受診しましょう。 診断は、鼻の奥に綿棒を入れて採った鼻汁から調べるRSウィルス抗原検査によってなされますが、1歳未満の乳幼児以外は健康保険が利かないのが難点です。 RSウィルスにはワクチンがなく(あることはあるが極めて高価)、治療は風邪と同じく対症療法となります。したがって予防がとても大切です。 予防策はインフルエンザのそれとまったく同じです。 (1)まずやることは外出から帰ったら、必ずうがいをすることと水道水の流水で手を洗うことです。 (2)咳が出ている人は他人にうつさないようマスクをするのがエチケットです。 (3)風邪をひいていると感じた親、兄姉は乳幼児と寝室を別にするのが望ましいです。 |
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