たかが「めまい」と軽く見ないで
2012年12月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 高齢化社会となるにつれて、「めまい」を訴える人が増えてきたと感じています。一言でめまいと云いましても原因は単純ではありません。原因によって診療する科も次のような科が担当しますし、複数の科にまたがる場合もあります。すなわち耳鼻科や神経内科が一般的ですが、その他循環器内科、脳外科、眼科、整形外科、産婦人科、精神神経科など広い範囲の診療科が関係しています。
 めまいの症状は大雑把に分けると次の三つのタイプに分けられます。
(1)回転性めまい;天井や周囲がグルグル回るような感じがするめまいです。
(2)浮動性(浮遊性)めまい;目の前がフワフワ、フラフラする感じのめまい。
(3)失神性めまい;急に目の前が暗くなって立っていられなくなるめまいです。
1)回転性めまいの代表的なものに「良性発作性頭位めまい症」「メニエール病」があります。これらはいずれも予後(病気の行く末)は良好といえます。
 良性発作性頭位性めまい症は、急に頭を動かした時に起こり易い病気です。例えば寝ていて急に起き上がったり、急に寝返りを打った時や急に後ろを振り向いたりする時に天井や周囲がグルグル回る感じに襲われます。
 メニエール病は20分以上のめまいが繰り返し起こり、難聴や耳鳴りが伴うことが特徴です。以上のような症状がある時はまず耳鼻科を受診しましょう。
2)浮動性めまいが感じられる場合は、要注意です。なぜなら他の重篤な病気の前触れとして現れることがあるからです。主に小脳、脳幹部(生命維持を図る深い部位)の傷害(小脳梗塞、脳梗塞、脳出血)で生じることが多いのです。
 この場合は,めまいに伴って複視(ものが二重に見える)、口がもつれる、顔の動きが変だ、片方の手足がぎこちないなどの神経症状がみられます。このような症状が一過性でもみられた時は、生命を脅かす脳障害が隠れている可能性が高いので、ただちに神経内科か脳外科を受診して下さい。
 ただし、以上のような梗塞では必ずしも浮動性めまいだけが現れるとは限らず、回転性めまいを呈することもありますので、回転性だからとか、一時的だからあまり心配ないだろう として放置はしないことです。
3)失神性めまいは、急に目の前が暗くなって立っていられなくなるめまいです。急に起き上がった時に起きることが多いようです。いわば「立ちくらみ」といわれるめまいです。これは「起立性低血圧」とも呼ばれます。
 その他、高血圧の薬を服用している時に薬の効きすぎの症状として現われることもありますし、糖尿病の神経症状として感じることもあります。
4)高齢者でよくめまいがあるという方のは、体のバランス感覚を強化することと転倒予防のため、杖の使用をお奨めします。これは非常に有効な方法で、今流行りの「ノルディック式歩行」のように両手に杖を持って(できれば早足で)歩くのが特に転倒予防を兼ねたよい予防策となります。

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