インフォームド コンセントとは
2013年6月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 最近は、患者さんの人権を尊重し、患者中心の医療が望ましいとの観点から、医療者側(医師、看護師、薬剤師、医療関係技師など)は患者さんに対してその病状や治療方針などについて十分説明することが多くなってきました。
 例えば、検査の結果ある臓器に癌が見付かったと仮定しましょう。その際いろいろな治療法がある場合、昔のような医者任せにせず、どの治療法を選択するか患者さんに決めていただくやり方が一般的になりつつあります。その分患者さんの自己責任も重くなってきたということをしっかり自覚して頂かなくてはなりません。
 さて、その治療法に(1)手術療法(患部を切り取って除いてしまう)(2)化学療法(抗がん剤で癌を叩く)(3)放射線療法(放射線で癌を焼く)があるとします。主治医は各治療法に於けるメリット(有効性)とデメリット(副作用など)を十分説明し、どの治療法を希望するか患者さんの選択を尊重しながら最終決定するというやり方が一般的になりつつあります。これが「インフォームド・コンセント(「説明と同意」と訳されています)と呼ばれる方法です。
 もちろん患者さんは医療に詳しくないので、どんなに詳しく説明されても「さァ、何を選ぶか自分で決めろ」と言われても困ることも多いでしょう。
 医師としては、患者さんが納得するまで説明すると、長時間を要する場合がありますが、忙しくてそのような時間的余裕がないのが悩みです。
 ただし患者さん側から見れば、詳しい説明を受けて理解したつもりでも、実際は内容が半分位しか理解していなかったなどということがあります。これは医師の使う医学用語で聞きなれない言葉で話され、理解が中途半端になったことも理由の一つに挙げられます。(私はこの欄を担当してから出来るだけ専門用語を使わないように努めています。)もし分からない専門用語が出てきたら遠慮なくその言葉の意味を尋ねましょう。(この件に関してはここらの平成22年一月号にも書いておきましたが、まだまだ遠慮している方が多いようですね。)
 それでも患者さんの判断がつかず、「先生ならどちらを選択しますか」と尋ねられた時、私ならこう答えます。「自分の肉親が同じ病気なら○○療法を選ぶでしょう」と。こういう聴き方も選択肢の一つとしては如何でしょうか。
 一方、辛い治療が最善と医師が考えても、患者さんは楽な治療の方に逃げてしまうことが少なくありません。こんな時患者さんはもっと楽で効果のある治療法がないかインターネットで情報を集める方がいます。しかしネット上の情報は玉石混交で、ガセネタも沢山出ています。このえせ情報に振り回され、結局最善の時期を逃してしまった例をよく経験しています。くれぐれも素人判断することなく、あくまでも主治医との話し合いのもとで最善の治療を探りたいものです。

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