サルコぺニア肥満にならないために
2013年9月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 このページでは何度も肥満の弊害についてお話してきました。肥満といえばすぐ「メタボリックシンドローム(通称メタボ)を連想しますね。一般市民健診(正確には特定健診といいます)は特に腹部内臓に脂肪が蓄積した肥満による生活習慣病の予防を目的とした検診で、究極の狙いは糖尿病の予防にあることを何度も述べてきました。
 ただし、最近は生活習慣病の予防にはメタボの予防だけでなく、運動能力の低下を予防することも大切であることが明らかになりました。これが「ロコモティブ症候群(通称ロコモ)の予防という考えに至ります。ロコモは加齢による筋力低下やそれに伴う運動能力を問題にしているわけですが、直接肥満と関連付けてはおりません。
 筋肉の絶対量(筋肉細胞の総量)は25歳をピークとして、次第に減少していきます。これを「サルコペニア現象」といいます。サルコとはラテン語で筋肉を意味し、ぺニアとは減少意味しています。
 歳をとるにつれて、誰でも筋力は低下しますし、しかも肥満の状態にある方も少なくありません。この状態を「サルコペニア肥満」といいます。そうであれば一層メタボとロコモの解消に向けて努力し、生活習慣病の予防をはかるべきでしょう。ここではメタボとロコモの解消法について詳しく述べる余裕はありませんが、簡単に言えば、メタボなら食事と運動に努めること、ロコモなら筋トレに励むことです。
 ロコモの状態にあるかどうか簡単なテストは、眼を開けて机に手を掛けながら片足立ちをどの位出来るかを見ます。65歳以上の方が1分以上できれば心配ないでしょう。あるいは肘掛に軽く手を掛けて片足で立ち上れますか。
 今回問題としたいのは、サルコペニア肥満が若い人にも増えてきている傾向があることです。若い女性で、特に食事ダイエットだけで減量を図っている人が大勢いるようです。そのような人は運動もせずに一見ダイエットだけで減量に成功しているように見えます。しかし実は脂肪の減少とともに筋肉も大きく減少しているのが問題なのです
 運動しないでカロリー制限して肥満を防ぐようなダイエットはかえって筋肉量の減少を招き、将来のサルコペニア肥満に陥る可能性が非常に高くなります。つまり脂肪はまた増加し易い性質を持っているにもかかわらず、筋肉はそれほど回復し易いとはいえないからです。
 肥満を解消するには,脂肪を筋肉の運動によって燃焼させる必要がありますが、肝心の筋肉が少ないのでは将来減量しようと思ってもその効果が少ないことは容易にお分かりでしょう。

健康アドバイス

 

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