糖尿病の治療をもっと気楽に行うために
2013年10月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 医学の進歩は日進月歩で、学生時代に覚えた常識が全く否定されてしまったなどということも少なくありません。糖尿病の世界も同じです。以前この欄で、糖尿病のコントロールの目安が変更になったことをお伝えしました。
 糖尿病は、一般に「HbA1c ヘモグロビン・エーワン・シー」を用いて、治療効果の目安にすることにしています。HbA1cは過去1,2か月の血糖の平均値を反映する血糖コントロールに欠かせない指標です。
 約10年前に制定された糖尿病学会の基準では、血糖コントロールの基準を次のような5段階に分けて評価していました。
 すなわち、望ましい順に「(6.2未満)」「(6.2〜6.9 未満)」 「」これを二つに区分して(不十分 6.9〜7.4)と(不良 7.4〜8.4) 「不可(8.4以上)」となっていました。そして治療の目標は出来るだけ「優」にもっていくように努力するとされていました。しかし、すべての糖尿病患者が一律にこうしなければならないのかという反省の声が出てきました。
 糖尿病の治療においては、日常生活において運動療法、食事療法も取り入れるよう要求されます。ですが、食事時間も不規則にしかできない職業の人もいるでしょうし、忙しくて運動する時間が取れないなどの問題がある人もいるでしょう。また、高齢で認知症があり、寝たきりで胃廔で生かされている患者さんもいるでしょう。このような方々でも、無理やり「良」以上にもっていくような厳重な治療が必要だろうかという疑問も生じます。
 そこで今回、指標コントロールの指標を本年6月から次のように改定することになりました。(表1)
                 
表1
目標 血糖正常化を
目指す際の目標
合併症予防
のための目標
治療強化が困難な
際の目標
HbA1cの目標値 6.0未満 7.0未満 8.0未満

 今回の改定では、年齢、発症してからの期間、症状を呈している臓器、低血糖の危険性、サポート体制などその患者さんがおかれている生活環境を考慮に入れて個別に設定することになりました。もちろん最終目標は6.0未満を目指すことにありますが、まずは7.0未満をキープするよう奨められています。 

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