意外と知られていない風邪にご注意
2013年12月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 そろそろ寒くなるとともに風邪の流行りそうな季節がやってまいりました。風邪の原因はウィルス感染によるものが大部分ですが、そのうち有名なのは「新型インフルエンザ」と「新型肺炎(SARS)」でしょう。今月号では、意外と知られていないもう一つのウィルス感染症も紹介します。
 昨年日本の新聞のニュースで、[RSウィルス感染症、今冬に大流行の恐れ]という記事が見られました。国立感染症研究所の情報によりますと、「発生は通常秋から冬にかけてである。」と発表しています。流行のピークは年によって多少のズレはありますが、11月から年末にかけてが多いのです。
 日本では、乳幼児のインフルエンザ感染症がお母さん方の間で特に注意が払われていますが、RS感染症は乳幼児でも大部分は一般の風邪と見過ごされ易く、あまり問題となりませんでした。しかし一旦重症化しますと、米国ではこのウィルスによって毎年約4500人前後の乳幼児死亡がみられるそうです。
 生後3歳までにほとんどの乳幼児が罹ります。多くは鼻水、せき、微熱程度の一般的かぜ症状で、1〜2週間で治ってしまいますので、案外軽視されていました。しかし、日本でも小児におけるRS感染症は数%が肺炎のような重症化となる可能性が高いとみられています。
 ここで注意しなければならないのは、何度も感染を繰り返す可能性があることです。そこで抵抗力の弱い高齢者も罹り易いことも覚えておいて下さい。
 乳幼児か小児、あるいは高齢者が風邪を引き、咳が長びいたり、ひどくなるような時は重症化の始まりかも知れません。咳の特徴としては「喘息のようなゼイゼイという呼吸」を呈します。そのような時はすぐに小児科ないしは内科を受診しましょう。
 この咳を主体としたウィルス感染症に対し、もう一つ別型のウィルス感染症があります。それは「ロタウィルス感染症」と呼ばれ、ロタウィルスにより主として胃腸症状を呈する一種の風邪です。
 ロタウィルス胃腸炎とも呼ばれ、冬季の小児下痢症の多くはこれと考えられています。症状としては、突然の発熱とともに嘔吐を来し、比較的強い水のような下痢を呈するようになります。多くは1週間程度で治りますが、一部重症化する場合もあるので、あの「ノロウィルス性下痢症」と同様「要注意」であることを頭の片隅に覚えておいて下さい。
 予防法としては、いずれもウィルス性ですから、インフルエンザ予防と同じです。すなわち(1)外出から帰ったらよく手を洗うこと。(2)水道水でもよいですからうがいを励行する。(3)出来るだけ人混みにはいかないようにする。(3)マスク着用はウィルス吸入を防ぐのには効果がありませんが、冷えた空気を直接喉に当てないという点から考えると意義があるでしょう。

健康アドバイス

 

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