夏の正しい塩分補給法〜食塩と高血圧の話〜
2014年9月
福島県農協会館診療所(所長)
重富 秀一

 お盆が過ぎて、少しずつ秋風を感じる時期になりますが、毎年9月の上旬までは熱中症の患者さんが発生しますので、体調管理を怠らないようにしましょう。さて、みなさんご承知のように、ヒトの体内の液体成分(体液)には塩分が含まれています。体液の食塩濃度は約0.9%(水分100mlあたり0.9g)なので、0.9%食塩水のことを生理食塩水といいます。体液の塩分(ナトリウム)濃度はいくつかのホルモンによって調節され、常に一定に保たれています。過剰な塩分は水に溶けて腎臓から尿として排泄されます(食塩量として一日3〜6g)。一方、汗にも塩分が含まれますがその濃度は低く、体液の10分の1程度ですので、夏の暑い日に2リットル汗をかいたとしても、汗から失われる食塩は多く見積もっても2gです。汗をなめると「しょっぱい」ですが、思ったほど塩分は含まれていません。夏の暑いときは熱中症予防のために水分と塩分の補給が推奨されます。最近のスポーツドリンクに含まれる塩分濃度は、汗の成分に近いものが多いので、必要量を飲むのは良いことなのですが、飲み過ぎ注意が必要です。カロリーにも配慮しましょう。
 ところで、我が国の高血圧の患者数は4,000万人、成人の約40%は高血圧と言われています。高血圧の大部分(90%以上)の人は、いろいろ検査をしても特別な異常はみつかりません。生活習慣と遺伝的素因(体質)の相互作用で血圧が上昇すると考えられています。血圧が塩分の摂取量に敏感に反応する人とそうでない人がいますが、塩分の摂取量と血圧値との間には密接な関連がありますし、高齢になると腎臓から塩分を排泄する能力が衰えてくることも知られていますので、塩分は控えたほうが無難です。高血圧が明らかな人の一日食塩摂取量は6gが目安です。食材そのものに塩分が含まれていますので、料理として添加する食塩は一日3gになります。普段から少し血圧が高めの人や高血圧で治療をしている方が、熱中症予防と称してスポーツドリンクを飲み過ぎたり、梅干しなど塩っ辛い食べ物を普段より多く食べたりすると、血圧が上がってしまうこともあるかも知れません。「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。中庸に心がけましょう。

健康アドバイス

 

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