「中性脂肪」が高いとなぜ良くないのか
2014年10月
福島県農協会館診療所(所長)
重富 秀一

 肥満度を測る指標のひとつに体脂肪率があります。男性は15-20%、女性は20-25%が適正です。体脂肪はからだ全体に分布している脂肪の総量です。体重60kgの人で体脂肪20%とすれば脂肪の総量は12kgになります。コレステロールも脂肪の一種ですが、身体に含まれる量は全部で100-150gしかありませんのでほとんどが中性脂肪ということになります。
 私たちは食事で必要なエネルギーを補給しますが、エネルギーが不足すると、中性脂肪を分解してエネルギーを産生し足りない分を補っています。食事中の脂肪はいったん消化液で分解されますが、吸収されてから再合成され血液またはリンパ液に入ります。炭水化物やたんぱく質からも中性脂肪がつくられますので、うっかり食べ過ぎると、余分なエネルギーはすべて中性脂肪となって脂肪細胞の中に蓄えられます。脂肪は部位によって皮下脂肪と内臓脂肪に区別されています。皮下脂肪が増えても、美容上はともかく健康上はさほど問題はありませんが、内臓脂肪が溜まりすぎると健康に悪影響を及ぼします。
 では、内臓脂肪が増えるとなぜ良くないのでしょう。それは、肥大した内臓脂肪細胞からは、動脈硬化を促進したり、血液が固まりやすくなったり、血圧を上昇させたりする物質がたくさん分泌されるため、このような状態が長く続くと動脈硬化性の病気になる確率が高くなるからです。肥満があって、中性脂肪や血糖が正常より高値で、血圧が少し上昇している状態を「メタボリック症候群」と言います。もしあなたがこのような状態だったら、一日1時間くらい散歩や軽い運動をするように心がけ、食事の量を全体的に少し減らすように心がけましょう。体重が3〜4kg減ったところでもう一度検査をすると検査値が正常になる人が少なくありません。もし数値に変化がなければ、かかりつけの医師と相談してください。中性脂肪はコレステロールと違って血管に溜まらないので、中性脂肪が高くても動脈硬化が進みやすいとは限らないのですが、肥満がない人でも「隠れメタボ」の可能性があるので注意が必要です。食事をしたあと4〜6時間で血液中の中性脂肪は最大になります。アルコールを飲んだ後は中性脂肪の合成は促進、分解は抑制され、その影響は12時間以上続きます。検査の前日は禁酒し、12時間以上は何も食べないようにしてください。
 食欲の秋です。おいしいものを適量、バランスよく食べましょう。秋晴れの下での運動で健康を実感するのも良いことです。無理なく長続きできる自分なりの食事と運動の習慣を身につけることがたいせつです。

健康アドバイス

 

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