蚊が媒介する病気について
2015年6月
福島県農協会館診療所(所長)
重富 秀一

 青空の下で自然にふれあうことはたいせつですね。子供や孫と一緒に野山を歩いて昆虫採集をしたり、川で魚釣りをしたり、キャンプをしたり、花火大会に出かけたり、夏は楽しいことがたくさんあります。ところで、野外で活動するときは「蚊」に注意しましょう。昨年、代々木公園周辺で約130人の方が蚊にさされてデング熱に罹ったことを覚えていますか?デング熱はウイルスが原因の感染症ですが人から人にうつることはなく、ウイスルをもった蚊が人を刺す(吸血する)ことによって、蚊の体内で増殖したウイルスが人に入り、刺された人が感染します。デング熱には特効薬はなく、対症療法で自然に治癒するのを待つしかありません。第二次世界大戦後、1942年から1945年にかけて関西から中国地方で大流行しましたが(患者数は約20万人)、それ以降は国内での発生はありませんでした。デング熱ウイルスを媒介するネッタイシマカは日本国内(沖縄県を南方を除く)には定着しないと考えられていましたが、いまでは冬でも温暖な場所たくさんありますので、蚊が定着する可能性は十分考えられます。また、秋田県や岩手県以南に分布しているヒトスジシマカの体内でもデング熱ウイルスが増殖するといわれていますので、福島県内であっても外出するときは蚊に刺されないような予防手段を講じる必要があります。ところで、蚊を媒介とする日本脳炎(ウイルス)は予防接種の普及で年間の発症者は10名以下まで減少しましたが、予防接種を受けていない人は安心できません。日本脳炎はアジアモンスーン地域に広く流行しており、世界で毎年約7万人発症し、最大2万人が死亡するといわれています。デング熱や日本脳炎以外にも、ウエストナイル熱(ウイルス)、チクングニア熱(ウイルス)、マラリア(原虫)など蚊が媒介する感染症は世界中にたくさんありますので、海外とくに亜熱帯から熱帯地方に旅行する計画を立てている人は厚生労働省やWHOの情報を確認して、あらかじめ必要な予防接種をうけてから出かけましょう。

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