ピロリ菌って何? | |||||
2016年11月 鹿島厚生病院 検査科主任 和知 光宏 |
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『ピロリ菌とは』【Fig1】
子供の頃に感染し、一度ピロリ菌感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。ピロリ菌に感染すると、胃壁などに炎症が起こりますが、この時点では症状のない人がほとんどです。しかし感染状態が続くと感染範囲が「胃の出口」の方から「胃の入口」の方に広がり、慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)が進行します。この慢性胃炎は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、さらには全身的な病気などを引き起こすおそれがあることが近年の調査研究で明らかになってきています。 『ピロリ菌の感染経路』【Fig2】
実は、どのような感染経路であるかはまだはっきりわかっていませんが、口から入れば感染することは間違いないようです。そして大部分は飲み水(特に井戸水)や食べ物を通じて、人の口から体内に入ると考えられています。 ピロリ菌は、ほとんどが5歳以下の幼児期に感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生き延びやすいためです。そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。 『ピロリ菌と胃の症状』【Fig3】
『ピロリ菌の検査ってどんなのがあるの?』【Fig4】
『除菌療法』【Fig5】
『最後に』 日本人のピロリ菌感染者の数は約3,500万人と言われています。日本ヘリコバクター学会では、ピロリ菌感染者のすべてに除菌療法を受けることが強く勧められています。胃の調子が悪く胃炎などの症状がある方は、ピロリ菌検査の必要性があるかどうか、一度主治医に相談してはいかがでしょうか? |
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