変形性膝関節症について
2017年12月
鹿島厚生病院理学療法士
遠藤 恵一
Ⅰ.はじめに
 当病院では,保健・医療・福祉事業を通して農家組合員や地域住民の健康を守り,豊かな地域づくりに貢献するために,リハビリテーションを提供しています.今回,高齢者に多い膝の痛み,変形性膝関節症について原因を知り,対策・予防法について紹介したいと思います.

Ⅱ.変形性膝関節症概要
【変形性膝関節症とは?】関節軟骨の変性・破壊とそれに続く骨・軟骨の新生増殖および二次的な滑膜炎を伴う退行変性疾患のことである.なんらかの理由で関節の軟骨が傷んで摩耗したところに体がそれを修復しようとすると,正常に修復できずに異常な軟骨や骨のトゲを作ってしまい,それが繰り返されることによって徐々に関節が変形してしまうのです.
【変形性膝関節症の原因】
一次性変による危険因子
二次性による危険因子
・加齢
・女性ホルモンの低下
・筋肉の衰え
・肥満
・膝への負担の大きいスポーツの習慣
・O脚や偏平足など足部の変形
・足に合わない靴およびハイヒール など
・膝周辺の骨折による関節軟骨の損傷
・靱帯損傷
・半月版の損傷
・膝蓋骨の脱臼
・膝関節のねんざ
・慢性関節リウマチ など

 文献:監修.内田淳正 
 他:標準整形外科学,医学書院2012年
【どのような症状が現れるのか】動かしたときにひっかかり感がある,長時間の正座やあぐらをかいた後の痛み,膝がぐらつく,力が入らない,動き始めに痛みがでる,膝の内側が痛くなる,膝以外の関節が同時に痛む,膝に違和感やだるさを感じるようになる.



Ⅲ.膝関節について
“大腿骨・けい骨・膝がい骨”3つの骨と2つの関節から構成される“複関節”【特徴】人体で最も複雑で大きな関節,安定性は靭帯を中心とした軟部支持機構,下肢中央に位置する関節です.

Ⅳ.リハビリテーションでは
リハビリテーションでは,変形膝関節症に対して主に,運動療法,物理療法をおこないます.運動療法とは,その名称どおり,運動すること,身体を動かすことを治療法として用いること.特に太ももの前にある筋肉,大腿四頭筋の筋力トレーニングが重要であります.
【運動療法とは】①関節可動域:変形や拘縮に伴う運動制限に対して,関節可動域運動を行う.②筋力増大:変形性関節症では変形や疼痛のために筋力が発揮できず,さらに廃用性の筋力低下も大きな影響があるので,筋力強化を行います.③有酸素運動:下肢の関節症では体重増加そのものが関節に負担をかけてしまうため,有酸素運動が推奨されている.
【物理療法とは】①温熱療法:組織伸展性の向上や疼痛の軽減,循環の改善などを目的に行う.②寒冷療法:患部の疼痛・腫脹軽減のためにアイシングを行う.さまざまな,物理療法があり,症状に合わせて医師の指示の下に行って行きます.

Ⅴ.変形性膝関節症の体操療法
①横になって行う体操
10秒間とめてから,ゆっくりと足を下ろします.
10回〜20回繰り返します.

②まくらを使って行う体操
ひざのうらをまくらに押し付けます.

③座って行う体操
1回30秒位ずつを朝晩1回行います.

④イスに座って行う体操
10秒間とめてから,ゆっくりと足を下ろします.10回〜20回繰り返します.
資料:監修 千葉大学医学部 整形外科 教授 守屋秀繁

【大腿四頭筋の等尺性収縮体操】 等尺性収縮とは? 関節を動かさずに筋肉を収縮させることをいいます.収縮と弛緩のリズムは,ポンプ作用で膝の血行を良くし,膝の腫れを軽減,変形を予防します.筋肉の萎縮を防いだり,筋力を強くすることにも効果があります.
一般的な方法
・まず床の上で,膝を自然に伸してください.座った状態でも上を向いて寝た状態でもよいのです.そして,さらに伸ばすようにしっかり力を入れてください.

・足を背屈して行うのがよいでしょう.図は右膝の体操を示していますが,両側同時にしても良いでしょう.

Ⅵ.体操を行う上での注意
根気よく毎日続けて下さい,筋肉痛を起こさない程度に行って下さい,体操を行うときは空腹時をさけてください,痛みが強い時は中止して医師の診察を受けてください.

Ⅶ.まとめ
変形性膝関節症とは,長年の膝関節の使用や繰り返される負担,けがなどによって,関節の軟骨がすり減ったり,骨の変形が生じ膝に痛みがでる病気です.予防するために,日頃から運動をする習慣づけることが,大事であります.前期・初期段階で痛みが解消できるように生活の中でできる対策を行って行きましょう.

健康アドバイス

 

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