以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

食中毒の話
2018年6月
鹿島厚生病院検査科 技師長
加藤 裕一
 今回は、じめじめとした梅雨の時期を迎えるに当り食中毒についてご紹介したいと思います。
 はじめに、食中毒とは、有害な食中毒の病因物質の飲食(摂取)に起因する健康障害を言います。また、食中毒は一年を通して発生しています。

断固阻止!食中毒

【食中毒の種類と原因物質】
食中毒の内大部分を占めているのが“細菌性食中毒”と“ウイルス性食中毒”ですが、その他に“化学性物質による食中毒”や“自然毒による食中毒”、“寄生虫による食中毒”などもあります。
《細菌性食中毒》
・多くは梅雨時期から夏場(6月~9月)
代表的な細菌:病原性大腸菌(O-157など)、黄色ブドウ球菌、サルモネラ、キャンピロバクター
《ウイルス性食中毒》
代表的なウイルス:ノロウイルス(カキや貝類、感染者の便や嘔吐物などを介して感染)
《自然毒食中毒》
<植物性食中毒>
・トリカブト・毒キノコ・ジャガイモの芽・スイセン(ニラと誤認)など
<動物性食中毒>
・ふぐ・貝類など
《寄生虫食中毒》
・アニサキスなど
《化学性食中毒》
・洗剤・漂白剤・農薬・食品添加物・水銀・鉛など

【食中毒の症状】
下痢や腹痛、発熱、吐き気など。
食中毒の原因によって、症状や症状が出るまでの時間はさまざまです。

【発症までの期間〔潜伏期間〕】
大きく分けて①1日以内、②1~3日程度、③3日以上(1番多い)

【食中毒の発生源となる場所】
①台所、②冷蔵庫、③テーブル、④その他の場所

〔食中毒の予防〕
【食中毒予防の3原則】

【食品衛生の3原則】
①手洗い(清潔)
②冷蔵庫へ(迅速、細菌活動阻止)
③冷却・加熱(中心部が75℃で1分以上)

◎家庭で実践(具体的な予防策)したい6つのポイント
①食品購時<・消費期限のチェック・肉と魚は他の食品と分けて包む・生鮮食品や冷凍食品は最後にカゴへ・購入後まっすぐ帰宅>
②保存時<・冷蔵庫(冷蔵:10℃以下、冷凍:マイナス15℃以下)・冷蔵、冷凍品は帰宅後すぐに冷蔵庫へ・冷蔵庫内に詰め込み過ぎない>
③調理前の準備<・手をしっかり洗う・食材は流水で洗う・肉、魚に触った後は必ず手を洗う・肉、魚の汁が他の食品と接触させない・調理器具やふきんは常に清潔に、ゴミはこまめに処理>
④調理時<・調理前に手を洗う・肉や魚は十分な加熱を>
⑤食事中<食事前に手を洗う・食器は清潔なものを使用・食べ残った食品は手早く冷蔵庫へ>
⑥食品が残った場合<・清潔な容器に入れて保存・冷凍は小分けに・食べる時は十分な加熱を・経過しすぎた食品は捨てる>

【食中毒になった時の対処法】
●症状がでたら病院へ行くのがいちばんですが、すぐに行けないときは①脱水症状を防ぐための水分補給。②味の薄い消化の良いものを摂取。③身体を休める。④普通の腹下しでない場合、体から細菌や毒素を排出する必要があることから、下痢止め薬の摂取はやめる。
※食中毒は原因がわかれば病院でも適切な処置ができるため回復が早まります。

【正しい手の洗い方】