健康は食事と運動から |
2008年7月18日放送 高田厚生病院 栄養科 石田 泉 |
農家の皆さんおはようございます。 もうすぐ暑い夏本番の季節になりました。 今回は健康づくりについてお話をさせて頂きます。 いまや日本は世界有数の長寿国です。いくら寿命がのびても、健康でいきいきと生活できる期間(健康寿命)がのびなければ、充実した毎日は、送れません。言うまでもなく健康は、人から与えるれるものではなく自分自身でつくっていくものです。 健康づくりは、栄養・運動・休養の三本柱から成り立っています。日常生活を振り返りながら、日頃の食事・運動について考えていきます。食事については、毎日バランスのとれた食事(主食~ご飯やパンなどの穀類で主に糖質類を含む食品・主菜~献立の中心となるおかずで魚や肉、大豆製品などタンパク質を多く含む料理・副菜~野菜や海藻、こんにゃく、きのこを使用した料理を基本)に1日三食きちんバランスよく食べること。確かに食事回数を減らしたり不規則にすると、摂取量は少なくなりますが体が緊急体制となり本来なら消費してしまうカロリーを飢餓に備えて少しずつ溜め込んでいくのです。昔から「一日二食はかえって太る」といわれる由縁です。 朝・昼食はしっかり食べ夕食は、朝、昼食より少なくするのがポイントです。しかし、ライフスタイルの多様化などが要因で、最近は、家族ばらばらに食事をとることが多く、夕食が唯一家族団らんの場だったり、食育(食べるものを選ぶ力や料理する力、食事を味わう力)を養う時間でもあり、夕食を少なめにといっても中々難しいことと思いますが食べ方の工夫としては、おかず(主菜)が、ボリュームがある場合は、ご飯などの(主食)を少なくし控えていき、たっぷりな野菜料理(副菜)を添えていく。キノコ類、コンニャク類海藻類などの低カロリー食品を使用する。油・砂糖・マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料の量をできるだけ抑える。また料理方法では(茹でる・蒸す・焼く)などがカロリーを抑える為のひとつの方法です。尚、食物繊維にはコレステロールを体外に排出したり糖質の吸収を抑える働きがありますので毎食かかさず食べて下さい。人間の食欲は大脳によってコントロールしています。しかし早食いの人は、満腹中枢が働く前にたくさん食べる為中々満腹感を感んじにくいので、食事はゆっくりとよく噛んで食べることが食べ過ぎ防止をします。また夜は中性脂肪を溜め込む働きをするインスリンの働きが活発となり、寝ている間に体内にしっかり溜め込まれてしまうので、床につく前2~3時間は、食事をしないことが重要です。 食事でカロリーを摂取することは、案外簡単ですが体を動かしてカロリー消費することは、結構大変かも知れません。たとえば、ドーナツ半分・クッキー2枚程度のもの(100kcal)を消費するには、軽い散歩30分前後・ウォーキング27分~30分・ジョギング12分~16分に相当します。 運動には、「有酸素運動」と「無酸素運動」があります。平気で10分続けられる・乳酸がたまらない・疲労感を感じない有酸素運動が健康維持には効果的です。また運動は、カロリーを消費するだけでなく、気になる症状を運動で予防・改善にもつながります。 たとえば手軽なウォーキングは、肥満だけではなく、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の予防、改善、骨を丈夫にする、柔軟性平衡性(バランス)を保ち怪我予防、ストレスの解消などが上げられます。そして暮らしのなかにストレッチ体操をとり入れてみて下さい。「ストレッチ」とは、引き伸ばすという意味があります。犬や猫が気持ちよさそうに伸びているのを見かけますが、これは自然の「ストレッチ」です。意識的に起きる時、椅子から立った時、スポーツの前後、散歩の途中、テレビを見ている時、お風呂の中で、寝る前などゆっくりと、体の各部位を動かしみて下さい。疲労を回復し、腰痛、肩こりを予防するのにも効果的です。日常生活の中の動き(身体活動)も健康づくりには欠かせないものです。 そして少しでも生活の中に運動(動き)をとり入れて行って下さい。継続するのは、口で言うほど簡単ではありませんが、疲れたら休み、再開していく、無理をしないでマイペースで楽しく1回10分以上、1日20分以上、週3~6日ニコニコペースでできる運動、身体活動をとり入れていくことをおすすめいたします。そして夏はこまめに水分補給し、今年の夏こそからだの変化を自覚できることが健康的なライフスタイルへの第1歩かもしれません。 |
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