「睡眠時無呼吸症候群」
2011年11月18日放送
鹿島厚生病院
検査科 加藤裕一

 おはようございます。私は南相馬市鹿島区にあるJA福島厚生連 鹿島厚生病院検査科の加藤裕一と申します。
 みなさんは、毎日良い睡眠をとっていらっしゃいますか。通常ほとんどの方は、毎日良い睡眠をとっていらっしゃることと思いますが、中には日中ほぼ毎日眠くてしょうがいないと思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。今回は、そういった方々に聞いていただきたく、スリ−プ・アプネア・シンドロ−ム、一般的医学用語でSAS〔サス〕、と言われています「睡眠時無呼吸症候群」について、ご紹介させていただきたいと思います。
 以後、睡眠時無呼吸症候群をサスと表現してお話いたします。
 サスとは、一晩、だいだい7時間位の睡眠中に、10秒以上の無呼吸状態が30回以上おこる、または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる症状から、日常生活に様々な障害を引き起こす疾患を言います。日本においては人口の約1~2%サスの患者様がいると言われておりますので、日本全国では約200万人と推定されております。
 男女差でみますと、女性より男性に多く発生致します。男性の場合、肥満傾向にある、40代から60代に多く発生し、女性の場合は、閉経後に増加する傾向があります。
 症状として最も多いのは、いびきです。つぎに多いのが昼間の強い眠気です。そのほか倦怠感、頭痛、冷汗、肩凝り、夜中の頻尿など様々な症状があります。
 無呼吸で深い睡眠がとれないため、日中の眠気による交通事故、労働災害、仕事や学業の能率低下などが起こり、重大な社会問題を引き起こす可能性があります。また、酸素不足のため循環機能に負担をかけ、不整脈、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、心不全糖尿病といった様々な病気をおこしたり、悪化させたりします。一般の人に比べて、サスの方の他の疾患との合併症の割合は、心筋梗塞で4倍、脳血管障害で4倍、心臓冠動脈障害で3倍、高血圧で2倍あるとされています。
 厚生労働省の報告では、睡眠1時間あたりの低呼吸数が20回以上おこる場合では、5年後の生存率は84%、5年後の死亡率は16%とされています。
 原因としては、空気の通り道である気道が狭くなるために起こります。サスの患者さまの気道の状態は、肥満による舌根の降下や加齢、飲酒による咽頭の筋力低下、慢性の鼻の病気など口呼吸による舌の落ち込み、扁桃肥大、顎の後退や軟口蓋が長いなどにより、気道閉塞の状態になります。
 また、サスには大きく分けて、閉塞型サス、中枢型サス、閉塞型・中枢型混合サスの三種類があります。
 次に、サスの重症度についてご紹介させていただきます。サスの重症度は、〔無呼吸・低呼吸指数〕、略語でAHIで表し、一晩の睡眠を通して、1時間あたりのAHIの頻度をもとに診断しています。
 このAHIが1時間あたり5回以上認められ、日中の眠気などの自覚症状がある場合、サスと診断されます。軽症の場合のAHI指数は5~15回であり、中等症の場合のAHIの指数は15~30回となり、重症の場合のAHI指数は、30回以上という非常に多い無呼吸・低呼吸回数になります。
 治療方法としては、・閉塞型のサスの場合、肥満の解消があげられます。
 また、慢性の鼻の病気がある方は、耳鼻咽喉科での治療も有効です。その他、いびき防止枕の使用や横向きに寝たりすることも、一つの方法であります。
 中枢型には薬物療法などがあります。また、重症な患者様には持続陽圧呼吸療法、略してCPAP療法という簡単な機器を装着しての治療方法があります。
 今日は、サス全般についてご紹介させていただきましたが、ご自身で睡眠評価をしてサスの重症度がわかる、「日中の眠気の状態チェック」というものがありますので、一度行ってみてはいかがでしょうか。また、当院でもサスの検査を平成20年8月より実施しております。サス検査の種類として、簡易型検査、PSG検査、CPAPタイトレイション検査の3種類があります。基本的に当院では予約検査となっております。
 最後に、健康保健の適応基準についてですが、簡易型検査で、1時間当たりのAHIが40回以上の場合と、PSG検査で、1時間当たりのAHIが20回以上の場合などに、健康保険でCPAPの機械を借用することがすることができます。今日、この放送をお聴きの方でご心配の方、あるいはもう少し詳しい内容を知りたい方は、当院内科外来までご相談ください。本日は有難うございました。

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