「心臓リハビリテーションとは」について
2012年1月20日放送
白河厚生総合病院
リハビリテーション科 百足 昭一郎

 皆さんおはようございます。白河厚生総合病院の理学療法士の百足昭一郎と申します。
 今日は皆さんに心臓リハビリテーションの話をさせて頂きます。皆さんはリハビリと言えば脳卒中による後遺症や膝の変形、骨折などの患者さんを想像すると思いますが、最近では心臓や大きな血管の病気の方々を対象に行う心臓リハビリテーションが注目されています。
 心臓リハビリテーションを紹介する前にまず心臓の病気についてお話しします。心臓病というと心筋梗塞や狭心症が代表的ですが、他にも心臓の弁や血管の病気など様々です。最近は救急医療の発展があり心筋梗塞になっても大きな後遺症を残さず助かる可能性も高まってきましたが、発見が遅れ重症化すれば命に危険が及ぶとても怖い病気です。厚生労働省の調査によると心臓病により年間約18万人もの方々が命を落としています。そのうち心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患で命を落とす方は7万5千人にも及びます。
 心臓リハビリテーションとはこういった心臓病の患者さんを対象に行うもので、その目的は大きく2つあります。1つは心臓にダメージを抱えた方に運動をしてもらい体力を戻し元の生活に近づけること、そして2つめは再発を予防する事です。
 まず1つめの運動ですが一昔前は心臓病の方が運動することは危険が多く絶対安静とういう時代でした。しかし、その後、安静にすることはかえって筋力を低下させ社会復帰を遅らせてしまうことが分かってきました。それから多くの研究が進み安全性が確認できれば早い段階で運動を始めることが可能とされ、現在では急性心筋梗塞の患者さんでも合併症がなければ2週間程度で退院できる時代になってきています。では安全な運動とはどういったものなのでしょうか?白河厚生総合病院では昨年5月に呼気ガス分析装置というものを導入しました。これは顔にマスクをつけ自転車をこいで頂きその時の呼吸のガスを分析するものです。このデータからその人にとって最適な運動がかなり正確に割り出す事が出来るようになりました。実際、心臓病になっても仕事復帰や趣味活動あるいはスポーツがしたいといった方には大変有用な検査です。現在でも医師の要請があれば定期的に検査を受けて頂いてます。
 2つめの再発の予防ですが、1度心筋梗塞になった方は再び心筋梗塞になる可能性も高いと言えます。また、一度弱った心臓が原因で息切れや疲れが出やすくなり日常生活が制限されてしまう状態(これは専門用語では心不全といいますが)、こういった病態を起こしやすくなります。心臓リハビリテーションではこういった方々に対して運動の他に日常生活を送る上での注意点を個別に指導させて頂いてます。
中でも、高血圧、脂質異常症、高血糖、喫煙は心筋梗塞の4大危険因子と言われこの1つ1つを見直す必要があります。まず高血圧ですがこれは実際に話を聞くと食生活が大きく影響している方が非常に多いです。特に農家の方々はみそ汁や漬物、梅干しといった塩分を多く含む食生活が多いかと思います。また、ここ白河ではラーメンが有名ですが麺類にも塩分は多く含まれていますので頻繁に食べる方は注意が必要です。2つめの脂質異常症についてですが、テレビでもたまに悪玉コレステロールや中性脂肪などという言葉を聞くと思いますが、これらは体の中に蓄積し血管を詰まらせてしまうため、やはり食べすぎには注意が必要です。3つめの高血糖ですが血糖が高いと血管の老化を早めます。特に糖尿病の方は病院でしっかり血糖値をコントロールしてもらうことが大切です。最後の喫煙ですがこれが最も注意が必要です。ニコチンは血管を急激に縮め血圧を上昇させ、ついには血管をボロボロにしてしまいます。例え自分が吸っていなくても周りに吸っている人がいればその影響を受けてしまいます。心臓病の予防には何よりもまず禁煙は絶対条件と言えます。
 心臓リハビリテーションにおける運動と指導について紹介しましたが何より個々の生活様式に合わせて支援できるよう努力しています。
 最後に心臓病を予防するため家でできることを紹介します。それは血圧を測ること、適度な運動をすることです。血圧は朝起きて1時間以内の血圧を記録しましょう。まず自分の血圧を知ることが心臓や血管を守ることにつながります。そして二つ目の運動ですが、これは有酸素運動といって「少し汗をかき、息が上がらず、会話をしながらできる運動」が良いとされています。30分程度の散歩でも非常に効果的です。運動は血管の老化を予防し寿命を延ばす効果があります。是非、皆さんの毎日の習慣として心臓を元気な状態に保って下さい。以上で私の話を終ります。ありがとうございました。

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