以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

「がん検診について」
2012年3月23日放送
農村健診センター
事務長 仲沼 照夫

 皆さん、おはようございます。
  JA福島厚生連 農村健診センターです。
 今朝は私、仲沼照夫が、がん検診についてお話いたします。
 当センターは、巡回健診が専門で県南市町村の胃がん検診、そしてJA及び企業の職員健診を実施しております。また、JA福島共済福祉事業団主催の健康増進活動にも協賛しております。
 その中でも、毎年実施している県南市町村の胃がん検診は34年間実施しております。
胃がんの発見率向上のため、放射線技師は毎年、造影剤や撮影方法などについて研究を行っております。
 さて、近年がんは日本人の死亡原因の第1位であり、年間約33万人以上の方ががんで亡くなっています。
 最も死亡が多いがんは肺がんで、次に多いのは胃がんです。そして3番目が大腸がんですが女性の死亡者数では大腸がんは1位となっております。
 日本人の男性は2人に1人ががんにかかり、4人に1人が、がんで死亡する危険があると言われています。そして、決して高齢者だけの疾患ではないのです。がんで死亡する危険を避けるためには、まずなによりも、がん検診を受けることが対策になります。
 肺がんの胸部X線検査、バリウムを使用する胃がんX線検査、そして大腸がんの便潜血検査、40歳以上の方は、この3つは年1回受けておきたい検査です。
 そしてもし、健診で要精密検査と言われたら、必ず医療機関で詳しい検査を受けてください。
 それから、近年がん検診で最も注目されているのが、PETがん検診です。PET検査の特徴は、一度の検査でほぼ全身の検査が出来るということです。また、私も実際にこのPET検査を受けましたが、苦痛もほとんどなく、2時間ぐらいで検査が終了します。
 PET検査は、がんの早期診断、転移、再発の診断に有用です。
 がんは早期発見が肝心です。がんは転移を起こさない早い時期に発見し、適切な治療をすれば、多くの場合は治すことが出来ます。
 平成20年5月、白河厚生総合病院ではPET検査とCTを同時に行うPET−CT検診装置を整備いたしました。これにより、より早く、より正確に病巣を発見することが可能になりました。白河厚生総合病院でのPET−CT検診受診者は、今迄に1400人以上の方々に受診していただいております。がんでなかった方には、大きな安心を、がんの早期発見の方には適切な治療を提供することが出来ました。
 PETがん検診に関する申込、お問い合わせは、電話0248−22−2282白河厚生総合病院PET画像診断センターまで、月曜日から金曜日までの8時30分から17時の間にお電話をお願いいたします。
 それでは、なぜ近年がん患者さんが多いのでしょう。
 がんの原因としてよく言われているのが、欧米型食生活です。塩分の摂りすぎ、動物性食品の多量摂取。その上、ビタミン類の多い野菜不足が、消化器系がんの引き金になっています。
 それから、大きな原因として挙げられるものに、喫煙があります。
 喫煙は肺がんの最大の原因と言われておりますが、そればかりか、胃の粘膜を刺激して胃がんの原因をつくり出すとも言われています。
 ここで胃がんについてお話ししたいと思います。と言うのも、胃がんは死亡者数で第2位ですが、がんの患者さんが一番多いがんなのです。
 胃がん発生の原因は、ピロリ菌の感染による慢性胃炎、塩分の多い食生活で胃粘膜を荒らすこと、喫煙でたばこの有害物質が胃粘膜を刺激してがん化を促進させること、加齢に伴い胃粘膜が徐徐に萎縮して発がん物質にさらされやすくなること、そしてストレスなどが大きな原因と考えられます。
 胃がんは早期の場合、ほとんど症状が現れないのが特徴です。ただし、まれに、みぞおち辺りの痛み、胃の不快感、胸やけ、吐き気、嘔吐などの症状が起こることもあります。40歳を過ぎると、胃がんの発症率は高くなりますので、定期的に検診を受けましょう。
 それから、大腸がんの原因でも一番多いと言われているのが食生活の欧米化です。この20年で大腸がん患者さんは4倍に増えました。特に女性に多い食物繊維不足による慢性的な便秘も一因に上げられます。日本の女性のがん死亡の1位が胃がんから、大腸がんになったことも、この傾向が伺えます。また、女性特有の子宮頸がんの患者さんも近年増加しております。
 がんは何と言っても早期発見、早期治療が肝心です。そのためには、定期的に検診を受けることをお勧めします。
 今朝は、農村健診センターから、がん検診のお話でした。