「心筋梗塞について」
2012年9月21日放送
白河厚生総合病院
看護師長 仁井田 秀子

 みなさん、おはようございます。白河厚生総合病院 看護師長の仁井田と申します。
 今日は心筋梗塞についてお話いたします。心筋梗塞は、日本の死亡原因の第2位を占める重要な病気です。

<心筋梗塞とは>
 
心臓は、休むことなく収縮と拡張を繰り返して、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。その血液に乗って全身の各器官や組織に必要な酸素・栄養が、体の隅々まで届きます。このような働きをしている心臓自身の筋肉にも酸素と栄養が送られています。その酸素と栄養を送っているのが、心臓の表面にある冠動脈という血管です。この冠動脈が何らかの原因で血管が詰まり血液の流れが止まってしまうのが心筋梗塞です。
 心筋梗塞は、ほおっておけば心臓を動かしている筋肉の一部が死んでしまい、心臓の筋肉の収縮力が弱くなり、心臓の拍動が乱れ、心臓のポンプ機能の低下を招き全身に血液が送れなくなるといった危険な状況に陥ります。このため、症状が出でから3時間以内に治療を始め冠動脈の血流を再開させなければなりません。時間との戦いになります。

<心筋梗塞の症状>
 
通常は左胸の激痛で起こりますが、なかには、重苦しい、締めつけられる感じという方もいます。また、胸以外の部分 背中やあご、奥歯、左肩、左腕、みぞおち、胃などに痛みがはしることもあります。10分以上の痛みや症状が続く場合は特に注意が必要です。

<心筋梗塞の治療>
 いかに早く血流を再開させるかが治療のポイントになります。基本的には、血流を再開させる「再潅流療法」です。
 内科的に行うカテーテル治療と、外科的に行う冠動脈バイパス術があります。
 カテーテル治療後は「心臓リハビリテーション」を始めます。一昔前は心臓病の方が運動することは危険が多く絶対安静といわれていましたが、心臓機能の回復に有効だとわかり心臓リハビリテーションが早い時期に行われるようになりました。

<心筋梗塞の原因と危険因子>
 
心筋梗塞の原因は、血管が詰まり血流が止まってしまうために起こるわけですが、このつまりの最大の原因は、動脈硬化です。
 動脈硬化を進行させる危険因子としては、「糖尿病」「高血圧」「脂質異常」があり、これらは心筋梗塞を引き起こすことが多い重要な病気です。
 これらの病気を治療すれば、動脈硬化の進行をかなり抑えることができますので、心筋梗塞の予防になります。
 では、危険因子を減らすために日常生活で気をつけることは何かをお話しします。

1.高血圧について
 高血圧は、心臓に負担をかけることになり、また、血管が内側から圧迫されるため、血管の内側の壁が傷つき、動脈硬化が進行します。そのためにも血圧のコントロールが重要となります。血圧の目標値は、収縮期血圧(上)が120mmHg未満、拡張期血圧(下)が85mmHg未満にコントロールしましょう。
 血圧の高い方は、日常生活の中で 1)食塩の摂取を減らす。1日の食塩は6g未満が目標です。2)野菜・果物・魚を積極的に摂取する。3)運動不足を解消する。4)肥満の方は体重を減らす。5)禁煙する。6)多量の飲酒は控える。1日、日本酒1合・ビール中瓶1本・焼酎半合弱以下に制限すべきです。

2.脂質異常については、コレステロールをコントロールしましょう
 
コレステロールの中の悪玉といわれるLDLコレステロールの値は、140mg/dl以下、一度心筋梗塞になった方は100mg/dl未満が目標となります。HDLコレステロールの値は4mg/dl以上、中性脂肪の値は150mg/dl未満が目標となります。LDLコレステロールと中性脂肪の値を下げ、HDLコレステロールの値を上げるためには、毎日の食生活でバランスのとれた食事が一番です。肉や卵などの動物性脂肪を減らし、植物性脂肪やイワシ、サバなどの青魚を増やし、野菜や果物を多く取るように心がけましょう。

3.糖尿病について
 インスリンというホルモンの分泌が減ったり、十分に働かなくなり、血液中にブドウ糖が増えた状態をいいます。空腹時血糖値が110mg/dl未満、約一か月間の血糖の平均値を示すヘモグロビンA1cの値が6.5%未満を目標にしましょう。
 食事療法、運動療法、薬物療法で血糖値のコントロールをしていくことが重要です。

 ほかにも注意すべきことはありますが、日常生活で気を付けるポイントは食事と運動です。
 毎日の生活習慣を見直すことは、心筋梗塞だけではなく他の生活習慣病の予防にも役立ちます。自分だけではなく、家族全員で生活習慣についての見直しをしてみてはいかがでしょうか。
 以上で今日のお話を終わります。ありがとうございました。

健康アドバイス

 

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