〜JA福島厚生連だより〜
2013年7月19日放送
厚生連本所・双葉厚生病院
重富秀一

 おはようございます。今日は、最近話題の「熱中症」についてお話をいたします。
 このところ毎日のようにテレビのワイドショーで「熱中症」のことが放送されていますので、予防対策については良く承知されている方も多いとと思います。それでも、毎年今頃になるとたくさんの人が「熱中症」にかかってしまいます。「熱中症」にかかった経験のある人は、ちょっと前までは何ともなかったのに急に気分が悪くなり、からだが動かなくなってしまった、と言います。「熱中症」の初期症状はなかなかわかりにくく、気がついたときはかなり進行していることも少なくありません。体調が悪いときや、疲れが残っているときには熱中症にかかりやすくなりますので気をつけましょう。厚生労働省の発表をみると、今年は7月8日から「熱中症」で入院される患者さんが急に増えています。晴れた日に屋外で動いているときに「熱中症」にかかる人が多いのは言うまでもありませんが、曇りや雨の夜に屋内で「熱中症」になることもあります。一般的には、午前中は10時頃、午後は13時から14時頃に「熱中症」にかかる人が多いそうです。季節では梅雨明け後に多いとのことなので、いまがまさに注意しなければならない時期であるといえます。
 「熱中症」はその程度によって第1度から第3度までの3段階に分類されています。第1度の熱中症とは、日陰で横になって休憩し、少し塩分を含んだ水を飲めば治る程度の軽い段階です。もっとも重い第3度の熱中症になると、体温が39度以上にも上昇し、意識がもうろうとなり、自分で水分を摂取することができないために脱水と塩分欠乏がどんどん進行します。腎臓など内臓の働きが低下してしまうので、入院して救急専門医の治療を受けないと命にかかわります。
 「熱中症」の初期にはほとんど症状がないか、あってもきわめて軽いので油断はできません。暑い日や湿気の多い日に外に出て仕事や運動をしていて軽い頭痛やめまいを感じたときは、すぐに作業を中止して塩分と糖分を含んだ飲み物を飲んで、涼しいところで休んでください。体温を測ることも重要です。体温が上がっていたら衣服を脱いで霧吹きなどで身体に水をかけるか、冷たい水で首やわきの下など動脈が触れる場所を冷やしましょう。それでも具合が良くならないときは、第2度以上の「熱中症」の可能性が高いので、ためらわずに救急医療機関を受診してください。
 ところで、人間のからだにはどのくらい水分があるかご存知でしょうか。体重に占める水の割合は生まれた時が最も大きく70パーセント、年齢と共にその割合は少なくなりますが、老人でも体重の50から55パーセントが水です。この水の中には多くの栄養素と塩分などが含まれています。運動をすると汗をかきますが、汗をかいたと感じない状態でも私たちの皮膚からは、1日に平均1.5リットルから2リットルの汗が出ています。私たちはこれだけの量の汗をからだから出して熱を発散させ、体温を一定に保っているのです。もし汗をかかなければからだを冷やすことができません。ヒトは常に熱を産生しています。熱を産生するのは主に肝臓と筋肉です。じっとしていても、ヒトの体温は一日に0.1から0.2度上昇するそうですから、筋肉を動かしたときにはもっと熱が上がります。運動をすると汗をかきますが、これは体温の異常上昇を防ぐためにとてもたいせつなからだの反応です。運動をしたときや、気温が高い暑い日にかく汗は、エクリン汗腺というところから出てきます。この汗の99パーセントは水ですが、わずかに塩分を含んでいるので、なめると少ししょっぱく感じます。
 話を元に戻しましょう。
 私たちのからだは、暑い日には汗をかいてからだの中で発生した熱を発散させ体温を下げるようにできているので、普通の環境では熱中症にはなりません。しかし、外気温が異常に高く湿気の多い状態が長くと、熱を発散しにくくなるばかりか、からだの中の水分や塩分までが不足して、正常な冷却機能が働かなくなります。ですから、暑くて湿気の多い日は、あらかじめ水分と塩分を補給して汗の冷却機能を保つように心がけ、風通しの良い環境を整えてください。そうすれば「熱中症」は予防できるはずです。
 大量に汗をかいたらすぐに水分を補給しなければなりません。「熱中症」の予防のための飲み物としては、0.2パーセント程度の塩分を含んだスポーツドリンクをお勧めします。自分でつくるときは1リットルの水に食塩約2gと砂糖を約40g入れて溶かすとちょうど良い塩分量の飲み物になります。少し甘さもあるので飲みやすいと思います。レモン汁などを加えて自分流に味付けしてもかまいません。水だけ飲むことは絶対やめてください。短期間に水だけ大量に飲むとからだの塩分が不足してけいれんや意識障害などを起こすことがあるからです。体温上昇を予防するには、皮膚の表面からでる汗が蒸発しやすい環境をつくることが大切です。通気性の良い衣服を着て、適当な湿度と気温を保つことに心がけましょう。室温は時々刻々変化しますので、ときどき気温や湿度を確認することも大切です。暑いと感じたら我慢せず、ためらわずにエアコンを使いましょう。エアコンを除湿効果も「熱中症」の予防に有効です。
 いろいろお話ししましたが、梅雨が明けると外に出て仕事をする機会が増えますので、くれぐれも「熱中症」にはご注意ください。
 最後までお聴きいただきありがとうございました。双葉厚生病院の重富がお話ししました。

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