「新規導入された胃・胸部集検用デジタルX線システムについて」
2016年3月放送
農村健診センター
 加藤 陽一

 おはようございます。
 今朝はJA厚生連、農村健診センター 放射線技師の加藤が担当いたします。
 今回は、今年2月より運用を開始しました、胃と胸部の集団検診用デジタルX線システムについてお話をさせていただきます。
 私共は、県内のJA組合員、及びそのご家族の健康を守るための巡回健診を主な業務としており、各JA、更には一般事業所へ健診バスにて出向いております。
 今までは、フィルムを使用して、胃や胸部の撮影を行ってきました。X線用のフィルムは、撮影する人体の組織に適した階調(かいちょう)を持っています。これは硬い骨のようなところから、柔らかい組織、そして何もない空気にいたるそれぞれの場所をまんべんなく描ききる優れた性質を意味します。しかし、フィルムを現像する過程では、環境に悪影響を及ぼしかねない薬剤を使用しますし、万一の事故などで、大切な撮影フィルムを傷つけてしまうという危険性も常にはらんでいます。また、フィルムは、環境の変化に弱く、長期の保存には細心の注意が必要でした。
 この度私共が導入したデジタルX線システムは、フィルムを使用しません。撮影した画像はデジタル信号に変換され、付属のハードディスクやメモリーカードに記録されます。そのデータを施設のパソコンや記録用のディスクに移すことで長期間の保存が可能となります。それゆえ、何年にもわたって受診者の鮮明な画像を医療機関等に提供することができるようになりました。
 また、撮影した画像はその場で確認できます。万一、受診者が動いて画像がぶれていた場合や、ネックレスやカイロなどの、病気の発見に支障をきたすものが写っていた場合には、すぐに撮り直しができます。フィルムで撮影していた時は、そのようなことが現像後に分かった場合、受診者の方を後日会場にお呼びしたり、稀に近くの厚生病院までご足労をかけることもありましたが、現在のシステムではそれがありません。
 専門の医師による診断(読影)の際には、撮影した画像を拡大したり、濃度を変化させたり、白黒を反転させたりすることで、より精密な診断を下せるようになっています。もちろん、撮影する現場の放射線技師も、診断しやすい画像を提供するために、日々勉強を重ねております。
 せっかくの機会ですので、X線検査の注意点を述べさせていただきます。
 胸部の撮影では、胸部付近の金属やプラスチック類は外してください。外し忘れるとその部分の陰にある組織は写りません。刺繍、プリント、ポケットなどがある衣服は避けてください。それらが画像に写り込み病気とみなされることがあります。また、髪の毛は写りやすいので、長い髪は肩から上でまとめてください。
 案内の声がしたら、それに従い、大きく息を吸って、しっかりと止めてください。
 次いで、胃の透視では、バリウムを全量、慌てずにお飲みください。飲む量が少ないと写る範囲が狭くなります。また、慌てて飲むと、気管にバリウムが入ることがあり大変危険です。
 検査中ゲップは我慢してください。胃が膨らんでいる方が広い範囲を観察でき、病気があった場合に発見しやすくなります。胃の膨らみが足りない場合は、もう一度発泡剤という粉薬を飲んでいただく場合があります。検査後は、バリウムが固まって便秘になりやすいので、下剤とともに水を多めに飲んでください。
 最後になりますが、X線検査のメリットについて簡単に述べたいと思います。10万人が胸部X線検査を受けた場合、肺がんは少なくとも40〜50人ほど、肺結核が5〜10人ほど発見されています。また、同様に10万人が胃のX線検査を受けますと、胃がんが150人ほど、潰瘍などは1,000人ほど発見されています。
 以上のことから、皆さんには、定期的に健診を受けていただきますことをお勧めいたします。このような検査を通じ、皆さんの健康増進のお手伝いができれば幸いです。



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