「効果的な手洗い」について
塙厚生病院
感染管理認定看護師 緑川 裕美

 おはようございます。
 JA福島厚生連塙厚生病院で勤務しています感染管理認定看護師の緑川と申します。

 本日は、『効果的な手洗い』についてお話しをさせて頂きます。

 その前に、皆さん、自分の手を見てください。
 なかなかじっくり見ることがないと思います。
 どうでしょう?きれいですか?
 一見、きれいに見える手でも、実はバイ菌がたくさん潜んでいます。普段から私たちの手には常在菌というバイ菌がいます。これらのバイ菌は、普段は悪さをしません。しかし、バイ菌は身の回りにたくさんいます。例えば、テレビのリモコン、電気のスイッチ、携帯電話、手すり、ドアノブなどです。何度も手で触る物やたくさんの人の手が触れる物にはバイ菌がたくさんいます。たくさんのバイ菌が付いている物を手で触ることで新たに手にバイ菌が付いてしまいます。

 ドアノブにバイ菌を付けて何人の人の手にバイ菌がついたかの研究結果をこれからお話します。
 何人の人の手にバイ菌が付いたと思いますか?ドアノブを触った14人の人の手にバイ菌が付いたそうです。

 バイ菌は歩いたり飛んだりしません。バイ菌が付いた物を触ることで私たちの手に付いたバイ菌は、私たちの手によって運ばれます。そして、バイ菌が付いた手で家族や友だちと手をつなぐとバイ菌は家族や友だちの手にも付いてしまいます。そして、口や鼻、目などから体の中に侵入し、インフルエンザや胃腸炎、カゼなど様々な悪さ引き起こします。

 自分の手から家族や友だちへバイ菌がうつることや体の中にバイ菌が侵入することを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
 それは、手洗いによって防ぐことができます。
 例えば、手に100万個のバイ菌がいるとします。手を水洗いすることで100万個の菌が1万個まで減らすことができるそうです。では石けんを使った手洗いはどうでしょうか?なんと、100個まで減らすことができるそうです。さらによく洗うことでバイ菌は数個まで減ります。
 手を洗うときは石けんを使うことをお勧めします。

 ここで手洗いの方法について話しますので一緒に学びましょう。

 皆さん、手洗い場の前にいることを想像して両手を前に出してください。
 まず、両手を水で濡らします。
 次に石けんを手のひらにのせ、両手でブクブクよく泡立てます。
 左の手の甲に右手をのせてモミモミこすります。
 両手を組んで指の間をモミモミ洗います。
 左の親指を右手でつかみクルクル回します。
 右の指先を左の手のひらにあてゴシゴシ洗います。
 最後に左の手首を右の手でつつみクルクル洗います。
 右手も同じように左手を使って洗います。
 洗い終わったら、泡をしっかり水で流します。

 これが正しい手洗い方法です。

 親指は洗っていないという人が多くいます。皆さんはどうですか?親指まで洗っていましたか?
 これからは、意識して親指を洗ってください。

 手洗いが終わったら、きれいなハンカチやタオルで拭きましょう。
 汚れたハンカチで手を拭いてしまうとせっかく洗った手がまた汚れてしまいます。

 石けんを使った手洗いをすることで手が荒れてしまうこともあります。手が荒れるとバイ菌が落ちにくく手の清潔が保ちにくくなります。また、皮膚を守る機能が低下するため、自分自身が感染してしまう危険性があります。
 クリームなどを使って手に潤いを与えましょう。

 手洗いの方法は完璧ですね。

 では、皆さんはどんな時に手を洗いますか?
 家に帰った時、食事をする前、トイレの後、手が汚れた時でしょうか。
 外出先では、石鹸を使った手洗いができないこともあると思います。その時は、アルコール手指消毒剤で手を消毒することでも手をきれいに保つことができます。
 病院では病室の入口にアルコール手指消毒剤が準備されています。面会に来た時には、病室に入る時と出る時にアルコールで手を消毒しましょう。これは入院している患者を守るため、自分を守るためです。

 手洗いの大切さは日本だけではなく世界中で訴えられています。
 開発途上国では、正しく手を洗えれば、下痢による死を約半分に、カゼをこじらせた肺炎による死を約3分の1減らすことができるといわれ、100万人の子どもたちの命を守ることができるともいわれています。このため、日本ユニセフ協会では手洗いで救える命があると10月15日は「世界手洗いの日」としました。
 また、世界中の人々の健康を実現することを目的とする国際連合の専門機関であるWHO・世界保健機関でも5月5日は「手指衛生の日」としました。WHOの今年のテーマは「すべての人に清潔なケアをあなたがそれらを守る」であり、手指衛生の大切さを訴えています。
 このように手洗いは世界中で推奨されています。
 感染症から自分を守るために、家族や友だちを守るために手をきれいに洗いましょう。
 人へ温もりや安心感を与える手をきれいに大切にしましょう。
 私たち看護師もきれいな手を目指し、患者と信頼関係を築き、患者の不安軽減や安心感を与えていく看護を行っていきます。



健康アドバイス

 

Google

WWW 検索 サイト内 検索