「認知症と趣味活動について」
2020年5月放送
介護老人保健施設 久慈の郷
作業療法士 塩田 桃子

 ラジオをお聞きの皆さま、おはようございます。塙厚生病院併設介護老人保健施設久慈の郷 作業療法士の塩田と申します。
 本日は認知症と趣味活動について紹介していきたいと思います。
 認知症と耳にする機会はとても多いと思います。認知症とは記憶や判断力、物事を実行したり、会話を交わしたりするなどの一旦発達した知的機能が時間とともに障害されて、日常生活に支障をきたすようになった状態のことをいいます。認知症の方のほとんどに見られる症状は時間、場所、人の顔が分からなくなる等の記憶障害、判断力の低下、新しいものごとや手順を覚えることが苦手になるというものです。その他、個人差にもよりますが話し続ける、介護者へ抵抗する、無関心、不安や焦りなどの精神的な症状を呈する方もいらっしゃいます。
 また軽度認知障害という言葉も多く使われるようになりました。軽度認知障害とは正常と認知症の中間で日常生活への支障はほとんどない、認知症の一歩手前の症状を指します。軽度認知障害の方の一部は認知症に進行すると言われています。日本での認知症の方の数は2020年現在で602万人、軽度認知障害の方の数は400万人と推定されます。日本に65歳以上の高齢者は約3500万人ですから、約4人に1人が認知症や軽度認知障害を抱えていることになります。
 認知機能の低下には個人差があり教育歴や生活歴、職業歴や趣味活動等が関係していると言われています。今回はこの趣味活動についてお話しを進めていきたいと思います。
 趣味活動とは、専門家としてではなく楽しみとして続けられる事柄を指します。毎日気軽に行える活動、という事です。趣味活動がなぜ、認知症と関係するのか写真撮影を例に挙げて考えてみます。先ず写真を撮るためにはカメラと被写体を準備し、5月になったらアマリリスを撮りに出かけよう、とか紅葉を撮りたいから秋は会津に出かけようと予定を立てたり、この角度から撮るとどう映るのだろう、目の前の人を笑顔にさせるにはどのような声掛けをしたら良いのだろう?と考えたりもします。そして倍率や明るさを調整し、シャッターを押す。撮った写真は写真屋さんやご自宅で現像し「色合いがきれいだ、でももう少し明るい方が良かったかな。」等と考えます。大好きなカメラや写真に囲まれて安心したり、写真仲間との情報交換や友人、家族に喜んでもらい、今度はもっとよい写真を撮ろう、その為にはどうしたら良いかを考えたりもします。このように写真1つとっても、行動の予定を立てる、被写体の配色や大きさを考える、現像の段取りをつける、写真を見て喜びや満足感を得る、写真仲間の集まりに参加する、また次も頑張ろうと思える。このように多くの手順や感情の動き、人とのかかわりがあるために、認知機能の維持をはじめ、健康状態の維持、向上や人との交流を促進させていきます。
 趣味がなかなか見つからないという方は、公民館や集会所などで行われている地域サロンへの参加はいかがでしょうか。地域サロンとは、地域の方々が集まり、閉じこもり防止や仲間づくり、社会参加を目的として行われているものです。久慈の郷がある塙町でも、地域ごとに認知症予防体操や運動指導、季節料理の会食等が行われています。ご興味のある方は各地域の社会福祉協議会や公民館にお問い合わせください。
 普段から趣味活動の時間をお持ちの方もそうでない方も、趣味活動への取り組みについて考える機会となれば幸いです。そして身体的、精神的、社会的にも良好な関係をつくり、日々の健康を手に入れていきましょう。



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