『作業療法』について
2020年10月放送
高田厚生病院
作業療法士 半谷 弘美

 ラジオをお聞きの皆さま、おはようございます。
 私は会津美里町にあります、高田厚生病院 リハビリテーション科で作業療法士をしております、半谷と申します。

 皆さん、「リハビリテーション」という言葉はよく耳にするかと思いますが、どんなイメージをお持ちですか?
 「スポーツ選手がケガから復帰する」「病気やケガをした人が筋力強化をする、歩く練習をする」と言った機能回復をするというイメージがあるのではないでしょうか。
 リハビリテーションを日本語にすると「適した状態に再び戻す」といった意味を持っています。これは単なる機能回復をして元の状態に戻すことだけではなく、その人は「生きがい」や「役割」を持って自分らしい暮らしを住み慣れた地域で続けられることも含んでおり、そのために行われる治療やトレーニングの全てがリハビリテーションとなります。

 そのリハビリテーションの職種の中には「理学療法士(PT)」「作業療法士(OT)」「言語聴覚士(ST)」など様々な職種があります。
 今回は皆様に「作業療法士」についてお話ししたいと思います。

 作業療法士は「作業」を用いて「こころ」と「からだ」のリハビリを行います。
 障害のある方や地域に住んでいる高齢者など、こどもからお年寄りまで 生活のしづらさを抱える様々な方が対象となります。そして活き活きとした生活が送れるよう、仕事、遊び、日常生活など「作業」を通して、「こころ」と「からだ」を元気にするリハビリの専門家です。

 私たちの用いる作業とは、生活の中のあらゆる動作、活動を指します。食事や入浴、仕事、家事、遊びも全てその人の生活に必要な「作業」です。

 対象の患者様に必要な動作・作業を獲得するためにどんな動作が必要で、そのためにはどの作業をリハビリに選択するか考え、患者様に提供しています。

 例えば、食事動作や入浴動作、トイレ動作等、実際の生活動作から、調理、洗濯などの家事動作、また、お裁縫や編み物等の手工芸、必要に応じて 音楽を聴いたり、陶芸をしたり、農作業や、スポーツも行ったりします。また、お子さんのリハビリであれば、ボール遊びや積み木遊び、滑り台等の「遊び」も大切な作業の一つになります。

 ですが、リハビリを行って元の身体のように動けるようになるかというと難しい事が多いのが現状です。リハビリでの機能回復と、その後、地域で生活できるよう環境を整えたり、制度の利用や福祉用具等も考慮し、その方らしい生活が送れるよう支援していきます。

 リハビリで行った手工芸等が退院後の趣味活動になる方もいらっしゃいます。余暇時間の過ごし方や趣味活動を持つことも生活を豊かにするために必要なことなんです。

 それから農作業は、リハビリとして使用しても効果の高い作業の一つです。田んぼや畑は歩くだけでも体力やバランス能力を必要とします。リハビリとして農作業を取り入れた結果、集中力や身体機能が向上したという報告もあります。身体機能の他にも、日光を浴びる、土のにおいや季節の風、土の触感、虫の鳴き声など自然を感じ、五感を刺激することが多く、ストレス発散や、心の安定にも繋がることがあります。農作業はリハビリの手段としても使用しますが、退院後また畑をやりたい等目標として掲げる方もいらっしゃいます。大きくは難しくても、庭先の小さな畑やプランターでも役割りや生きがいに繋がる方もいらっしゃいます。

 退院後の生活が少しでも豊かになるよう、考えながら関わらせていただいています。

 作業療法士は病院だけでなく、施設や保健センター、包括支援センター、特別支援学校などさまざまな所に活躍しています。今日の話を聞いて、少しでも身近に感じて頂けたら幸いです。

 この仕事をしていると、今まで当たり前のように過ごしてきた日常がいかに大切かを再確認することも多くあります。当たり前のように朝起きて、顔を洗って、ご飯を食べて仕事へ行く。あるいは畑、田んぼへ行く。友達とお茶のみをする。湯船に肩までつかるなど。
病気になってしまったりすると、その当たり前の日常に戻ることがなかなか難しい事もあります。

 私は作業療法士として「その人らしく」「その人の体とこころの状態」「その人の周りの環境」を考えながら、その人の人生に寄り添い、‘その人らしさを支える’ことで地域に住んでいる方々の「こころ」と「からだ」の健康に役立ち、みんなが笑顔で暮らせるように貢献できればと思い、日々お仕事させていただいています。



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