農作業中の熱中症対策について
2021年8月放送
JA福島厚生連 業務部
健康福祉課長 佐藤 剛

 みなさん、おはようございます。
 暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。私はJA福島厚生連 健康福祉課 佐藤と申します。本日は、農作業中の熱中症対策について、お話したいと思います。
 農作業中の熱中症による死亡事故は日中の最高気温が30℃を超えてる日が多い7~8月に多い傾向があります。今年に入ってからも、すでに死亡事故が報告されています。直近の令和元年のデータでは全国で29名の尊い命が農作業中の熱中症により失われました。これは平成30年の43名に次ぐ調査開始以降2番目に多い死亡者数であり、近年増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症拡大防止に対する配慮も必要で、マスク着用や運動不足で、熱中症のリスクも昨年に引き続き高まっている状況にあります。自動車を運転するときにシートベルトを締めるように、農作業を行うときは「熱中症対策」で命を守りましょう。それでは、夏の農作業で心がけること、熱中症が疑われる場合の処置、日常生活で心がけることの3つの視点で説明します。

「夏の農作業で心がけること」について。
1.日中の気温の高い時間帯を外して作業を行いましょう。
・特に70歳以上の方は、のどの渇きや気温の上昇を感じづらくなるので、高温時の作業は極力避けましょう。

2.作業前、作業中の水分補給、こまめな休憩をとりましょう。
・のどが渇いていなくても20分おきに休憩し、毎回コップ1~2杯以上を目安に水分補給しましょう。
・足がつったり、筋肉がピクピクする症状がみられたら、0.1~0.2%程度の食塩水(1ℓの水に1~2gの食塩)、スポーツ飲料、塩分補給用タブレットを摂取しましょう。
 (市販品を摂取する際は、必ず成分表示をチェックし、適切な量を摂取してください。)
・休憩時は、日陰等の涼しい場所で休憩し、作業着を脱ぎ、手足を露出して体温を下げましょう。

3.熱中症予防グッズを活用しましょう。
・屋外では帽子、吸汗速乾性素材の衣服、屋内では送風機やスポットクーラーなどを活用しましょう。

4.単独作業を避けましょう。
・作業は2人以上で行うか、時間を決めて水分、塩分補給の声かけを行うなど、定期的に異常がないか確認し合うようにしましょう。

5.高温多湿の環境を避けましょう。
・暑さ指数(WBGT)計、温度計、湿度計で、作業環境を確認しましょう。
・作業場所には、日よけを設ける等できるだけ日陰で作業をするようにしましょう。
・特にビニールハウス等の施設内は風通しが悪く、早い時期、早い時間から暑さ指数(WBGT)が高くなるため、風通しを良くしたり断熱材を活用しましょう。

 なお、農作業中のマスクの着用により熱中症のリスクが高くなるおそれがあることが指摘されています。屋外やハウスで人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合は、マスクを外しましょう。

「熱中症が疑われる場合の処置」について。
1.暑い環境で体調不良の症状がみられたら、すぐに作業を中断しましょう。
・代表的な症状は次のとおりです。
 手足がしびれる、冷たい。めまい、吐き気がする。ズキンズキンとする頭痛がある。
 汗をかかない、体が熱い。意識の障害がある。体がだるい。まっすぐに歩けない。
 等です。代表的な症状は先ほどの通りですが、熱中症には特徴的な症状がなく、「暑い環境での体調不良」は全て熱中症の可能性があると考えてください。

2.応急処置を行いましょう。
・涼しい環境へ避難しましょう。
・服をゆるめて風通しを良くしましょう。
・水をかけたり、扇いだりして体を冷やしましょう。
・水分・塩分を補給しましょう。
なお、脇の下、両側の首筋、足の付け根を冷やすと効果的です。

3.病院で手当てを受けましょう。
・意識がない場合、自力で水が飲めない場合、応急処置を行っても症状がよくならない場合は、すぐに病院で手当てを受けるようにして下さい。
熱中症は手当てが遅れた場合、死に至る場合があります。迷わず病院を受診する様にしてください。

「日常生活で心がけること」について。
1.暑くなる前に、熱中症に負けない体作りをしておきましょう。
・暑さに慣れるため、毎日30分くらい歩く習慣をつけましょう。
・暑さに強くなる食べ物を積極的にとりましょう。
(ビタミンB1を含む豚肉や卵、カリウムを含むほうれん草やバナナ、クエン酸を含む梅干しやパイナップルなどが効果的です。)

2.暑くなってきたら、日々の体調管理に一段と気を付けるようにしましょう。
・高血圧症、糖尿病等の持病や、睡眠不足、前日の飲酒・朝食の未摂取等は熱中症の発生に影響をあたえます。
・朝食は作業前に欠かさず食べましょう。
・睡眠はしっかりとりましょう。
・お酒はほどほどにしましょう。(気づかないうちに脱水します)
・持病がある場合や体調不良の時は、翌日の作業内容の変更などを検討しましょう。

 なお、今年4月から地域内の暑さ指数が最高で33以上となると予測された場合に、環境省熱中症予防サイトで提供する「熱中症警戒アラート」の運用が全国で開始されました。これに伴い、農林水産省が情報提供するスマートフォン向けアプリ「MAFFアプリ」に、「熱中症警戒アラート」の通知機能が追加されました。農作業中の熱中症対策の為にも、アプリのダウンロードも検討してください。アプリのダウンロードは「農林水産省 MAFFアプリ」で検索出来ます。

 まだまだ暑い時期が続きます。十分な感染症予防を行いながら、熱中症予防についてもこれまで以上に心掛けるようお願いいたします。
 最後までお聞きいただきありがとうございました。



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