知ってるようで知らないレセプトの話
2017年6月
鹿島厚生病院 医事課長
佐藤 剛

 よく求人広告などに“医療事務(レセプト点検業務)”などと書かれていたりするのを目にしたり、ニュースなどでは“生活保護者を利用したレセプトの不正請求”などということを耳にすることもあるかと思います。今回は、目や耳にするけどなんだかよくわからない、この“レセプト”について簡単にご説明しようと思います。

そもそもレセプトって何?
 まず、レセプトとは、語源としてはドイツ語のRezept(処方箋)となるようなのですが、日本語に直すと診療報酬明細書となります。日本語にすると分かりやすくなるかもしれませんが、診療を受けた際の報酬の明細書です。日本では、診察の報酬は国ですべて点数化されており、診療の内容によって、報酬が定められております。つまり、保健医療機関に受診した時には、どこで受診しても同じ決まりで計算された点数から報酬が決定されます。会計の時に窓口で、断らない限り領収書と一緒に診療内容の明細書が渡されるかと思いますが、診療内容の記載については、この明細書とレセプトは同じです。しかし、レセプトになりますと、窓口でもらう明細書が1か月分まとめて記載され、更に、その診療がどんな病名に基づき行われたか、その医療費はどこの保険者に請求するのかなどといった情報が記載されています。つまり、レセプトは病院などからの医療の根拠が記載された保険者への保険者負担分の請求書となるのです。そして、先に述べましたレセプト点検業務はこれらの記載に漏れがないかを確認する業務ということになります。

医療費はどのように請求されるの?
 医療費の請求の仕組みは簡単には右の図のような流れになります。まず、①勤務されている会社を通してそれぞれの保険組合等(社会保険:社保)や、個人事業主の方は直接市町村(国民健康保険:国保)に医療保険の申請をして保険料を納付します(この保険料の納付先を保険者と言います)。そして、②保険者から保険証の交付を受けます。もし、③医療が必要になった際には医療機関に受診し、診療を提供してもらいます。④窓口に自己負担分(年齢や高齢者の場合は所得などにより負担割合が変わってきます)を支払います。そして、その翌月の月初めに、医療機関にて、それぞれの患者さんが受診した診療内容を確認しながらレセプトを点検していきます。すべての患者さんのレセプトの点検が終了すると、⑤”点検したレセプトを正しい請求であるかどうかを確認し、それぞれの保険者に医療費を請求する機関”である審査支払機関(社保は支払基金、国保は国保連合会)に翌月の10日くらいまでに提出します(医療機関によっては提出月をさらに遅らせる場合もあります)。審査支払機関では、正しい請求であることを確認後、⑥それぞれの保険者にレセプトを提出して医療費を請求します。保険者はその請求を受けて、⑦レセプトから個人が負担した残りの分を支払います。最後に⑧審査支払機関より、医療費が医療機関へ支払われる運びとなります。

保険証の提示がないと…
 すこし駆け足の説明で分かりにくかったかもしれませんが、レセプトを請求するには、必ずどこの保険者に請求すればよいのかが分からなければ、個人負担以外の保険者負担分が請求できなくなってしまいます。医療機関に受診する際には必ず保険証のご提示をお願いします。また、転職などで勤務先が変わった場合も、前の会社の保険証では、請求先が間違っていますといった内容で医療機関に医療費は支払われずにレセプトが医療機関に返却されてしまい、その分を患者さんに負担していただかなくてはいけなくなってしまうこともございますので、保険証変更の際も必ず病院の受付にお知らせいただきますようお願いいたします。



※あしたの保険プロジェクト(http://www.ashiken-p.jp/basic/01.html)より引用

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