画像診断の今! 最新のデジタルにより正確に診断・迅速に治療 ~IT技術~
2018年4月
鹿島厚生病院 放射線科
副技師長 知々田 勝之
医用画像
 X線で体を輪切りにして見るCT(コンピュータ断層撮影:computed tomography)や磁場を利用して生体の構造を見るMRI(核磁気共鳴画像:magnetic resonance imaging)などの登場により、今まで想像の範囲だった体内の様子をより明瞭に画像として見ることができるようになりました。この医用画像は現代の病気の診断・治療に大きく貢献しています。

どのようにして見ているの?
 以前はレントゲンやCTなどの医用画像はフィルムに焼き付けて観察していました。医療ドラマなどでは”それっぽさ”を演出するためにフィルムをにらむようなシーンがありますが、今はほとんど使用されなくなってきています。現在では診察を行う場所に設置された専用のモニタにて画像をみます。院内の複数のモニタで同時に観察できたり、拡大縮小といった操作もでき大変便利です。患者さんが画像を持ち込む場合も、フィルムではなくCDやDVDでの持ち込みがほとんどです。これは医用画像がデジタル化されデータとして扱われるためになし得たことです。
 

さまざまな画像処理とIT技術
 CTやMRIの画像撮影機器など(モダリティといいますが)がデータで画像を出力できるようになりその医療用画像はPACS(医療用画像システム)に保存管理されます。最近ではIT技術(インフォメーション・テクノロジー:Information Technology)の急速な進歩で、このデータを包括的に扱うことで多数の写真を連続的に表示させたり、3D画像などを生成したり、病気をわかりやすくするような画像処理が行われています。
 

放射線科医(画像診断専門医)
 検査で得られる画像は増え続け、情報も膨大になってきました。そうすると全てをみるのに時間がかかったり、画像処理などの専門の知識が必要となってきました。そこで主治医の負担も軽減しさらに診断能を上げるために“放射線科医”のチェックが行われるようになってきました。画像診断を専門とする放射線科医は画像診断のスペシャリストで、主治医の先生からの依頼によって放射線科医は異常箇所のチェックなどを行います。これを“読影”といいます。

足りない放射線科医
 しかし、我が国の放射線科医は、欧米諸国と比較した場合大幅に不足しています。このことは厚生労働省も問題視しておりホームページ上にも資料が公開されています。一方、日本のCTの保有台数は世界的に類を見ないほど多く、いわば“質と量の不均等”が発生しています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0311-5a4.html
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000130336.pdf#search
 このような中で、当院ではCT検査の全て(100%)において放射線科医の読影が行われています。実は当院に放射線科医は常勤しておりません。では、なぜそれが可能なのでしょうか? それは他の病院の放射線科医が、当院の画像を読影できるシステムを構築しているからです。(遠隔画像診断)

遠隔画像診断
 ガイドライン上の定義では“ネットワークを利用した複数施設間でのデジタル画像およびその関連情報の相互伝達によって行われる診断”とされています。また“遠隔画像診断は、現状では専門家による画像読影が困難な医療環境において、画像診断の専門医がその読影診断能力を提供して医療の質の向上を図ることを大きな目的としている”ともされています。当院では系列病院(福島県JA厚生連)の放射線科医とこの遠隔読影システムを構築しています。

進化する画像診断と今後
 このように、“IT技術”の進歩により画像診断は、病気を発見するために様々な工夫がされるようになりました。しかしそれを読影する放射線科医が不足し“質”を担保できない可能性があるのも事実です。しかし、それを補う遠隔画像診断を実現したのもまた“IT技術”なのです。
 フィルム診断から遠隔画像診断へ。画像診断の形は“IT技術”によってさらに進化し続けています。

健康アドバイス

 

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