肥満は病気か?
2017年11月
福島県農協会館診療所(所長)
重富 秀一
 BMI(Body Mass Index=体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められるもので、25以上だと肥満と判定されます。健康診断などで「あなたはBMIが25以上で肥満だから食事を控え、運動に心がけて体重を減らしたほうが良いですよ」などと指導をうけた経験のある方も多いと思います。いまでは有名になったメタボリックシンドロームの基準に該当していれば納得もするけれど、血圧・中性脂肪・血糖などすべての検査項目が正常なのになんで痩せなければならないのか疑問に思った人もいると思います。今回は、「肥満」と「肥満症」の違いや、肥満症はなぜ治療が必要なのかについてお話します。私たちが毎日食べる食事のカロリーはいつも同じではありませんが、一定期間のなかで消費したエネルギーに匹敵するエネルギーを摂取していれば体重は変化しません。食べ過ぎが続くと、余分なエネルギーは主に脂肪細胞に蓄えられ、体重が増えます。BMIが25以上で脂肪組織が過剰である状態を「肥満」と言います。肥満はその程度によって4段階に分類されています。BMIが35以上のグループを高度肥満と言います(表・図)。BMIが25以上で肥満に起因する健康障害を持っているか、内臓脂肪の過剰蓄積があってリスクが高いと判定された場合は「肥満症」と判定されます。また、高度肥満で健康障害を有する場合は「高度肥満症」と診断されます。肥満に起因ないし関連する健康障害とは、①耐糖能障害(糖尿病など)、②脂質異常症、③高血圧、④高尿酸血症・痛風、⑤冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)、⑥脳梗塞(脳血栓症・一過性脳虚血発作)、⑦非アルコール性脂肪肝(NAFLD)、⑧月経異常・不妊、⑨閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)および肥満低換気症候群、⑩運動器疾患(変形性関節症など)、⑪肥満関連腎臓病の11項目です。肥満に起因する健康障害は内臓脂肪蓄積と深い関係があります。力士に代表される健康な肥満の人は内臓脂肪の蓄積はないので問題はありません。しかし、運動不足と過食からくる肥満の場合は内臓脂肪の蓄積が著明で、複数の健康障害を伴っていることが多く治療が必要になります。もちろん、高血圧や糖尿病は肥満と関連なく発症する場合もありますが、健康障害を伴った肥満(=肥満症)の多くは、適切な治療によって減量すると、肥満に起因した複数の健康障害が一挙に改善することが明らかにされています。日本肥満学会が発表した「肥満症診療ガイドライン2016」によれば、肥満症の減量目標は、BMIが25以上35未満の肥満症では現体重の3%、BMIが35以上の高度肥満症では現体重の5〜10%だそうです。この減量目標を達成すれば肥満に起因する健康障害の大部分が改善するそうです。医師や栄養士などの指導のもとで実践すれば不可能な目標ではありません。日本人は欧米人にくらべ肥満に関連した健康障害や疾患が発生しやすい体質を持っていると言われています。肥満症の予防、肥満症の治療に心がけて、健康で豊かな人生を送りましょう。







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