高齢者の介護予防とリハビリテーションについて
2017年5月放送
介護老人保健施設 久慈の郷
作業療法士 小野 鈴恵

 ラジオをお聞きの皆さま、おはようございます。私は塙町にあります介護老人保健施設「久慈の郷」でリハビリテーションを担当しております作業療法士の小野と申します。今日は高齢者に対する介護予防と最近のリハビリのあり方についてお話しさせていただきます。
 平成28年11月時点で、日本の65歳以上の高齢者はおよそ3463万人となり、全人口に占める割合は27%を超えました。社会の高齢化に伴い、日本では介護を必要としている高齢者の数が年々増えてきています。介護保険における要介護(要支援)認定率を年齢階層別に見ていくと、高齢になればなるほど要介護や要支援となる人の割合が高まり、80歳から84歳の高齢者3人に1人、85歳から89歳の高齢者の約半数が何らかの介護が必要な状態となっています。2006年4月に改正された介護保険法の中では「介護予防」という項目が追加されました。
 介護予防とは、高齢者の要介護状態となることの予防や要介護状態の軽減・悪化の防止を目的とし、生活機能が低下した方にリハビリテーションの理念を踏まえ「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり、単に運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、生活の質の向上を目指していくということです。
 2025年には団塊の世代が75歳以上となり、介護を必要とする高齢者がますます増えてくることが予測されています。厚生労働省はこれらの介護予防対策に対し、①リハビリ専門職スタッフ等を活かした介護予防の機能強化、②住民が運営する通いの場の充実、③高齢者の社会参加を通じた介護予防の推進、以上の3本柱を軸として、高齢者が日常生活をより充実させ、家庭や社会で生き生きと暮らせるような環境づくりが大切としています。その中で、各市町村における介護予防事業への様々な取り組みが始まっています。
 また、最近は高齢者に対するリハビリテーションのあり方も見直されてきています。今まで介護保険下では「歩けるようになりたい。」「筋力や体力を身につけたい。」など身体機能に対する内容を中心にリハビリテーションを実施してきました。しかし、高齢者に対し身体機能の改善を目指し、自立性を取り戻そうという努力をしてもなかなか効果が得にくく、リハビリテーションの内容が家庭での生活に繋がらない状況が多く見られています。そこでこれからは、食事や移動、入浴や排泄といった日常生活動作の能力の向上を目指し、日常生活においての活動性を高め、生きがいづくりや社会参加を促していくリハビリテーションが求められています。私たちリハビリスタッフはこうした社会の動きの変化に対応しながらリハビリを提供しています。基本的にリハビリスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が中心となってリハビリテーションが提供されますが、対象となる方と常に意思確認を行いながらリハビリテーションを実施していくことが重要であると考えております。



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