「風しんの追加予防接種について」
福島県厚生農業協同組合連合会
健康福祉課 佐藤 剛

 おはようございます。福島県厚生連健康福祉課 佐藤と申します。
今回は2019年度から開始された風しん抗体検査及び風しん第5期定期予防接種について、お話したいと思います。
 まず、風しんについてお話します。風しんとはどんな病気なのでしょうか。
 風疹は風しんウイルスによる感染症です。主な症状は、発熱・発疹・リンパ節の腫れなどで、風しんウイルスに感染して2~3週間後に現れます。一方で、風しんウイルスに感染しても症状が出ない方が、15~30%程度いると言われています。大人がかかった場合は、子どもに比べて、発熱や発疹が長い間続き、関節痛がひどくなると言われています。また、2,000人~5,000人に1人くらいの割合で、肺炎や血小板性紫斑病などを合併し、入院が必要になる場合があります。一度風しんにかかると、大部分の方は再び風しんにかかることはありませんが、近年流行を繰り返しており、注意が必要です。
 それでは、どうやってうつるのでしょうか。
 風しんは、くしゃみやせきで飛び散ったつばなどの飛沫によって、人から人に感染する感染力の強い疾患です。他の人が感染する可能性が高い期間は、発疹などの症状が出る1週間前から症状の出た1週間後まで続きます。しかし、風しんに対する理解不足や特に症状が出ない方もいる事から、電車や職場など人が集まる場所で、気がつかないうちに多くの人にうつしてしまう可能性があります。
 日本での風しんの流行状況は、2012年~2013年に全国的に風しんが流行し、2年間で16,000人を超える風しん患者が報告されました。2014年以降は大きな流行は見られませんでしたが、2018年7月下旬から再び患者数が増えはじめ、2018年は2,917人が報告されました。2019年に入っても、風しんの流行は続いています。
 それでは、なぜ大人が予防しなければいけないのでしょうか。
 それは、風しん患者に成人男性が多く、周囲の妊娠中の女性にうつしてしまう可能性があるためです。風しんは、かつては子どもが感染する病気でしたが、予防接種制度の見直しなどにより風しんにかかる子どもは減っています。2018年の流行では患者の約80%は男性で、年齢をみると、中心となっていたのは30代から50代でした。感染場所は70%の方が「職場で感染した」と報告されています。また、妊娠初期の女性が風しんにかかると、おなかの赤ちゃんが「先天性風しん症候群」を持って生まれてくることがあります。「先天性風しん症候群」とは風しんウイルスの母胎感染で起こる先天異常の事を言います。妊娠20週まで 特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、おなかの赤ちゃんにも風しんウイルスが感染し、難聴や白内障・緑内障、先天性心疾患などを持った赤ちゃんが生まれてくることがあります。先天性風しん症候群が起こる可能性は風しんにかかった妊娠の時期によって違いがあります。特に、妊娠12週までにその可能性が高いことが認められています。2012年~2013年の流行時には、45例の赤ちゃんが先天性風しん症候群と診断されました。風しんにかからないためには、予防接種が最も有効ですが、妊婦さんは風しんの予防接種を受ける事が出来ません。妊婦とおなかの赤ちゃんを守る為にも、職場で働く方を中心に大人も予防接種を受けることが大切です。
 では、なぜ風しん患者は30代~50代の男性が多いのでしょうか。
 その理由として、この世代には風疹の抗体を十分に持っていない方が多いことがあげられます。特に、1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性は、これまでに予防接種法に基づく風しんの予防接種を受ける機会がなく、他の世代の男性や、同世代の女性 約90%に比べて80%と、風しんの抗体保有率が低いことがわかっています。
 風しんの流行や先天性風しん症候群の発生を防ぐために、この世代の男性の抗体保有率を上げる事が必要になります。このため、1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性の方は、2019年より風しんの追加対策の対象となり、抗体検査と予防接種が原則無料となりました。この事業は2019年から2022年3月末までの約3年間で行うことになっています。
 2019年度は、1972年(昭和47年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性に市町村からクーポン券が送付されます。また、1962年(昭和37年)4月2日~1972年(昭和47年)4月1日生まれの男性については、2020年度以降クーポン券が順次送付される予定ですが、希望すればクーポン券の発行し、抗体検査を受けることが可能です。
 風しんウイルスへの抵抗力が無い、つまり抗体がない事がわかった場合、風しんへの抵抗力をつける為、予防接種を受けましょう。
 クーポン券は住民票がある市町村からの発送されますが、他の市町村でも検査、予防接種を受けることが可能です。また、風しんの追加的対策、つまり無料で受けられる期間は、2022年3月末までの限定です。周りの妊婦やおなかの赤ちゃんの為にも、ぜひ、お近くの病院にお問い合わせいただき、受けられるようお願いいたします。
 なお、福島県厚生連の病院及び診療所でも風しんの検査及び予防接種は行っておりますので、お問い合わせください。
今回のお話で、風しんの予防接種の大切さをご理解いただけたのであれば幸いです。
これにて、私のお話しを終わらせて頂きます。
朝早くからお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。



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