食欲の秋と健康
2022年10月放送ラジオをお聞きの皆様、おはようございます。私は、高田厚生病院 管理栄養士の佐藤と申します。当院のある会津盆地では、今、黄金色に輝いた稲穂が一面に広がっています。この風景をみると、秋の到来を感じますが、「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」など皆様はどのような秋をお過ごしでしょうか? そこで本日は、「食欲の秋と健康」についてお話をさせて頂きます。 秋になると気温が下がり、「食欲の秋」という言葉があるように、ついつい食べ過ぎてしまうという方も多いのではないでしょうか。また一方で、暑い夏が終わり、過ごしやすい秋になりましたが、身体がだるい、疲れがとれないなどの症状はありませんか?秋は天気の変化と1日の寒暖差がとても大きい季節です。 まずは、変化に対応できる体力をつけることが大切です。 それでははじめに、食欲の秋を健康に楽しむポイントからお話いたします。 秋は「実りの秋」とも言われるように、新米の季節を迎えます。また、ぶどうや梨、柿などの果物や、さつま芋、かぼちゃ、ごぼうなどの野菜。そして、しいたけや舞茸などのキノコ類など、一年の中でも様々な食材が旬を迎えます。旬の食材は、味だけではなく、ビタミンやミネラルなどの栄養価が豊富で、疲労回復や免疫力アップにつながる栄養素を多く含みます。例えば、さつま芋やキノコ類は、食物繊維が大変豊富で、便秘でお悩みの方やダイエットをしている方におすすめな食材です。またブドウは、疲労回復や美容に効果のある栄養素を多く含んでいます。そんな栄養価に優れている秋の食材ですが、実は、「糖質」を多く含む食材が多いのはご存知でしたか?例えば、さつま芋中サイズ1本の糖質量は、角砂糖が約10個分、またブドウ1房で、糖質量が角砂糖約6個分と言われています。そこで、重要になるのが、血糖値を上昇させない食べ方です。血糖値を上げないためには、よく噛んで食べること、そして食べ過ぎないことが大切です。また、キノコ類は糖質が少なく、食物繊維やビタミン・ミネラルが大変豊富に含まれていますので、日頃の料理に上手く取り入れてみてはいかがでしょうか。秋の味覚を楽しみながら、血糖値も上手にコントロールしましょう。 それでは次に「夏バテ」ならぬ「秋バテ」についてお話いたします。なんとなく疲れが取れないなどの症状をお持ちの方は、「腸」を整えることを意識してみましょう。胃腸を整えることで、疲労を回復し、元気な体を取り戻すと言われています。最近は「腸活」という言葉を耳にすることも多く、大腸は今、大変注目されています。良い腸とは「腸内細菌のバランスが良好な状態であること」 そこで、腸活ついていくつかご紹介いたします。 まず1つ目は、「朝にコップ1杯の水分を摂取し、胃腸を目覚めさせましょう」 そして2つ目は、「朝食を食べで、胃腸に刺激を起こしましょう」 そして3つ目は、「自分に合った発酵食品を見つけてみましょう。」 発酵食品とは、ヨーグルトや甘酒、納豆、キムチ、味噌などの食品です。中でもヨーグルトは、さまざまな種類があります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、菌の種類により腸内環境と相性がありますので、自分に合うヨーグルトを見つけてみるのも良いかもしれません。 そして4つ目は、「食物繊維やオリゴ糖を積極的に取りましょう」 食物繊維は、野菜や海藻に多く含まれていますが、野菜が苦手という方には、先ほどの話にもあった、「さつま芋」や「かぼちゃ」がおすすめです。また果物では、食物繊維を多く含むキウイフルーツがおすすめです。キウイフルーツのヨーグルトがけにハチミツを少しかけると、食物繊維・オリゴ糖・発酵食品の3つが一度に摂取できるので効果的です。ぜひ朝食にいかがでしょうか。 本日は、「食欲の秋と健康」をテーマにお話をさせて頂きましたが、日頃より、積極的に体を動かしながら、体重の増加を防ぐなど、自分の体重をチェックする習慣が健康管理の第一歩です。そして、近年は、カロリーオフや糖質が少ない等の特定保健用食品などが、数多く流通しています。食品を購入する際は、栄養表示を確認するなど、健康を意識した習慣を是非心がけてみましょう。 それでは、秋空の下、今日も1日健やかにお過ごしください。最後までお聞きいただきありがとうございました。