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乳がん検診について

 JA福島厚生連 塙厚生病院で診療放射線技師をしております山内美子と申します。本日は、乳がん検診についてお話します。  乳がんは、日本国内で、女性の腫瘍部位別死亡率が4位、乳がんと診断された人の割合である罹患率は1位となっています。50年前は50人に1人でしたが、20年前には20人に1人、現在では9人に1人と言われており、大きく増加しています。これに伴い、乳がんで死亡する女性の割合も年々増加傾向にあります。乳がんは、欧米の女性に比べると日本の女性には少ないがんでした。しかし、現在では、食生活の欧米化により、高たんぱく、高脂質の食事が主流になったことで栄養状態が良くなり、その結果、女性は初潮を迎える年齢が低くなり、また閉経を迎える年齢が高くなる傾向にあります。月経がある間は女性ホルモンの分泌が多く、女性ホルモンにさらされる期間が長くなったことが乳がん増加の原因の1つと考えられています。  乳がんは、発見された時の進行度によりその治療方針や生存率が左右されます。早期に発見された場合、手術において出来る限り乳房を残すことが可能な乳房温存療法が適応となり、また100%に近い生存率が期待できます。しかし、進行がんはおよそ50%にまで下がってしまいます。つまり、乳がんは早期に発見することが大切です。早期発見、早期治療のためには、40歳になったら定期的な乳がん検診を受診しましょう。また、日頃から自分の乳房を見て、触って、感じるセルフチェックを行い、乳房の変化に気づいたら、すぐに医療機関を受診するということが重要になります。  乳がん検診には、医師が見て触って診断する視触診、マンモグラフィと呼ばれる乳房のX線撮影、超音波による検診などの検診方法があります。その中で、今回は、乳がん検診の1つであるマンモグラフィ検診についてお話します。  マンモグラフィは、乳腺の中に何か異常がないかをX線撮影を行い調べる検査で、視触診や超音波検査に比べると、乳がんなどの初期の小さな異常をより確実に発見できる検査であると言われています。しかし、乳腺はとても複雑な分布をしていますので、肺のレントゲン撮影のような状態で撮影しても、乳腺の重なりの中に異常が埋もれてしまい、見つけることができません。そのため、乳腺専用のX線装置を使用して撮影します。  この検査は、片方ずつ乳房を板と板で挟み、平らに薄くして撮影をします。そのため、多少の痛みを伴います。乳房は人により厚みも大きさも違いますので、乳腺の重なりのない、脂肪と乳腺が分離した写真を撮影するため乳房をなるべく均等に圧迫して撮ることが重要で、乳房をすべて写すためには、乳房を出来るだけ前に引き出す必要があります。受診される際に不安に思うことがこの撮影に伴う痛みであると思います。実際に抑える時間は10秒ないくらいですので、あまり緊張せず、肩の力を抜いて、わからないことや不安に思うことがあれば遠慮せず撮影技師に聞いてみてください。  また、X線被曝による危険性も不安要素の一つであると思います。乳房は1センチでも薄くできれば、X線被曝も半分に抑えることができます。そのために、乳房の圧迫が必要となります。マンモグラフィのX線被曝は、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生はありません。1回の撮影で乳房が受けるX線の量は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線の量の半分と言われています。つまり、撮影に伴う危険はほとんどないか、あっても極めて小さいと考えられています。  塙厚生病院では、今年の1月に最新型のマンモグラフィ装置を導入しました。この装置は、撮影台の下の部分が体の形状にあったカーブが設けられており、受診者の圧迫感を減らし、検査時の窮屈さを和らげます。さらに、乳房を圧迫した後、自動で減圧し、痛みの軽減を目指す機能も搭載しています。また、低線量で高画質が得られる機能やAI技術も搭載され、CTの輪切りのような断層画像を撮影できるトモシンセシスも搭載されています。  みなさんが不安に思う痛みが軽減され、被曝も少ない、しかも、高画質な画像が得られる装置となっています。怖がらず、ぜひ乳がん検診を受診していただけたらと思います。  簡単ではありますが、乳がん検診の必要さを理解していただけたでしょうか。乳がん検診を受診される際に、今回お話したことが少しでも役に立てればと思います。