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新PET-CT装置とがん検診について

みなさん、おはようございます。白河厚生総合病院、診療放射線技師の丹野と申します。本日は朝早い時間からではありますが、当院に新たに導入された最新鋭のPET-CT装置と、この装置で行っているがん検診についてお話させていただこうと思います。 お話を始める前に今日の主軸となる「PET」という機械について説明していこうと思いますが、この言葉はなかなか聞き慣れないものではないでしょうか。犬や猫などのおうちで飼っている動物が思い浮かんできそうなこの言葉ですが、今日のお話はこちらのペットではありません。 陽電子放出断層撮影、英語でPositron Emission Tomographyのそれぞれの頭文字をとってPETと呼ばれるこの機械は、簡単に言うとがんを見つけることができる機械です。この検査では、身体の細胞のエネルギー源である「ブドウ糖」に、ごく微量の放射線を出すフッ素-18という物質をくっつけたお薬、こちらを身体に投与して検査を行っています。がん細胞は正常な細胞よりも3倍から8倍、病気によっては10倍近くのブドウ糖を必要としています。そのため異常のある部分にはこのお薬が集まり、その場所から放出された放射線をカメラで受け止めて画像化するということをPET装置では行っています。つまりPETは臓器の働きを画像化している検査となります。当院ではこのPET検査と同時にCTも撮影できるPET-CT装置で検査を行っています。みなさんもよく聞くCTという検査では臓器の形の異常をみており、PET検査とCT検査を同時に行うことで臓器の形と機能を一緒にみることができ、診断の精度を上げています。 当院では、機器更新に伴い最新鋭のPET-CT装置「Biograph Vision」が4月1日より稼働いたしました。この装置の導入は県内初、東北でも2台目の導入になります。この装置の最大の特徴は、「半導体検出器」という最新鋭の技術を取り入れていることにあります。この半導体検出器というものを用いることによって同じ検査時間で今までよりも綺麗な画像が得られるようになり、病気をより見つけやすくすることができるようになっています。また、今までのこの検査の撮影方法はベッドが止まったり動いたりを繰り返しながら撮影してきましたが、新装置ではベッドが動きながら撮影することができ、無駄な時間をつくることなく検査を行えるようになりました。 CT部分では身体のなかの金属、例えば歯の治療に使われた金属や骨折した時に使われる金属、またペースメーカーなどの影響を受けてどうしてもその近くの身体の中が見えにくくなってしまう、ということが起こってしまうのですが、そういった部分をわかりやすくするために金属の影響を低くする技術を使い、身体の中の臓器の形からも病気を見つけやすくすることができるようになっています。繰り返しになりますがこのような最新鋭の技術が使われる新しいPET-CT装置では、検査時間は同じでも撮像できる画像が綺麗になったことで病気を見つける力がパワーアップし、今まで以上によりよい検査を提供することができるようになっています。 では次に、このPET-CT検査における当院の検査の流れを紹介いたします。まず検査当日ですが、お薬の注射時間の4時間以上前からの食事制限があります。食事をすると体の中は血糖値が高くなり、インシュリンが分泌されてブドウ糖を筋肉に集める働きをしてしまいます。そうしますとお薬も筋肉に集まってしまうため病気の部分に集まる割合が減り、診断しづらい写真になってしまいます。また、検査前日の過度な運動により同じような現象が起こりますのでこちらも注意が必要です。 お薬の注射の前に身長、体重、血糖値を測定し、その後注射をしましたら、お薬が全身にいきわたるまでの1時間、安静室と言われるお部屋で休んでいただきます。1時間と聞いて長いと感じるかもしれませんが、安静室内にはテレビが設置され、リクライニングチェアでリラックスして過ごすことができます。 1時間経ちましたら、検査室で検査を行います。約20分程度、ベッドに横になっていただき、頭から太ももまでの撮影をしていきます。検査が終わりましたら一度安静室に戻り、約20分休んでいただいて検査は終わりになります。当日の検査全体では約2時間30分必要だと覚えて下さい。 当院では、PET-CT検査と他の検査を組み合わせたベーシック、スタンダード、エグゼクティブの3つのがん検診コースをご用意しています。また、福島県内JAの正組合員、准組合員とそのご家族様を対象に検診料金4万円代で「JA福島復興コース」をご用意しております。このJA福島復興コースは定員になり次第終了いたしますのでお早めにお申し込み下さい。   現在、日本人の2人に1人はがんと診断され、さらにがんの罹患率および死亡数は年々増加を続けています。がんは早期発見ががん治療の重要な鍵になります。早い段階で病気を発見できれば、助かる命も多くなります。そのがんの早期発見の方法として有用であるPET-CT検査を、是非ご検討いただければと思います。お申し込み先の電話番号は0248-22-2282です。もう一度繰り返します。電話番号0248-22-2282となります。 朝早くからの難しいお話、聞きづらい点もございましたが、お付き合いいただきありがとうございました。