健康アドバイス詳細

  1. HOME
  2. 健康アドバイス
  3. 健康アドバイス一覧
  4. 睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群について

 ラジオをお聞きの皆さん、おはようございます。JA福島厚生連 高田厚生病院 臨床検査技師の二本柳まいと申します。  ようやく暑さが落ち着いてきましたね。夏の間は気温が高く寝苦しい夜もありましたが、最近はすっかり秋らしく夜も寝やすくなってきていますね。涼しい気温になり、気持ちよく眠れているでしょうか?朝はすっきり目覚められていますか?  眠っているときに、呼吸が止まっている、いびきがうるさいと言われる。しっかり寝ているのに日中強い眠気、疲れを感じる。朝起きると頭痛がする。夜中に何度もトイレへ行く。などの症状はありませんか?もしあてはまるような項目があれば、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に呼吸が止まる疾患です。10秒以上の無呼吸が続く状態が一時間に5回以上認められ、日中の眠気や中途覚醒、倦怠感などの症状がある場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。  本日は睡眠時無呼吸症候群についてお話ししていきたいと思います。  寝ている間に呼吸が止まると、全身が酸素欠乏状態になってしまい、少ない酸素を全身へ送るため、心臓や血管に負担がかかってしまいます。睡眠中に酸素欠乏状態が頻繁におこると交感神経が刺激され、血圧が上がりやすくなります。きちんと寝ているつもりでも深い睡眠が得られず体は十分な休息をとれません。  この病気の原因の多くは空気の通り道の気道が睡眠中に塞がる、狭くなることで起こります。加齢や肥満、顎の後退や扁桃肥大などの形態的問題でも気道は塞がったり、狭くなります。  肥満傾向のある40~60歳代の男性に多く、女性では閉経後に増加してきます。しかし、肥満でなくても日本人は顔面の形態的問題から睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい人種と言われています。脳卒中、高血圧、心不全、糖尿病などの様々な合併症や、日中の眠気による交通事故の増加、集中力・記憶力の低下、突然死のリスクも2.6倍高いとの報告もあります。  大人だけの病気ではなく、15歳以下の子供でも2%ほどで睡眠時無呼吸症候群がみられます。子供の場合も原因は肥満であることが多いのですが、扁桃や鼻の奥の突き当りにあるアデノイドという部分が何らかの原因で膨らみ、のどが塞がれている場合があります。子供にとっての睡眠は未熟な脳と体を発達させるために不可欠なものです。成長や発達に様々な影響が出るおそれがあります。  次に検査方法についてお話します。自分が睡眠時無呼吸症候群かもしれないと症状が気になる方はどんな検査をするのか気になりますよね。検査の方法は簡易検査と精密検査の2つあります。  簡易検査は検査の機械を自宅に持ち帰り、患者さん自身で機械を取り付けて検査を行います。指先と手首と胸に機械をつけて寝るだけの簡単な検査です。この簡易検査でさらに詳しい検査が必要になった場合には精密検査に進みます。精密検査はPSG検査と呼ばれ、脳波、鼻、胸とお腹など様々なセンサーを付ける必要があるため、一泊入院して行います。いずれの検査も痛みなどはありません。これらの検査により、一時間あたりに何回呼吸が止まっているかが分かります。この呼吸が止まった回数で、睡眠時無呼吸症候群か診断されます。    そして、治療についてのお話です。治療方法はマウスピースによる治療や手術など様々な方法がありますが、肥満が原因となっている場合は減量が必要です。10%の体重減少で26%無呼吸の回数が減少したという報告もあります。ほかに一番多い治療方法がCPAP(シーパップ)です。CPAP治療とは装置からホース、マスクを介して空気を気道に送り、常に圧力をかけて睡眠中の閉塞部位を押し広げる治療です。CPAPは治療効果が高く、この治療を適切に行うことで症状の改善が期待されます。マスクなんかつけて寝られるのか不安に感じますが、最近の機械はコンパクトになり、マスクも装着しやすく、毎日でも使いやすいように改善されています。治療を続けることで、いびきの減少、眠気がなくなる、夜間のトイレの回数が減るといった症状の改善が期待されます。  CPAP療法は検査を行い一定の基準を満たせば健康保険の適応になりますのでぜひ継続して使用していただきたいです。  最後に現代では24時間社会となり、睡眠時間を削ることが多くなっています。睡眠時間は長くても短くても死亡リスクを高くするといった報告もあります。  睡眠時無呼吸症候群では十分な睡眠をとっているつもりでも実際には休息を得られていない病気です。検査を受け、正しい治療を行っていれば健康な人と変わりのない生活を送ることができます。初期段階では在宅でできる簡易検査もありますので受診のハードルは決して高くないと思います。いびきや眠気が気になる方、ご自分の睡眠に不安を感じる方はまずかかりつけ医の先生にご相談していただくことをお勧めします。睡眠は健康的な生活の基本となりますので改善して質の良い睡眠を目指しましょう。  皆さん、最後までお聞きいただきありがとうございました。それでは良い一日をお過ごしください。