季節性インフルエンザワクチン
2025年11月放送お早うございます。 白河厚生総合病院で 薬剤師をしております土井智香子です。 皆さん、インフルエンザワクチンの接種はお済ですか? これから予定されている方もいるかと思います。 今回は、季節性インフルエンザ ワクチンについてお話します。 今シーズンのインフルエンザですが、「早く」も全国的に流行期に突入しており、これから「広く」流行し、2月頃まで「長く」続くと 予想されています。 インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。 症状としては38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感が 急速に現れるのが特徴で、重症化することもあります。 症状だけでは、新型コロナウイルス感染症や一般の風邪と区別することは難しく、 検査をして判定します。 季節性インフルエンザは感染力が強く、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。 ●インフルエンザウイルスの中で、流行の原因になるのはA型とB型です。 ウイルスは抗原変異を繰り返すため、毎年、流行が予測される株から、インフルエンザワクチンがつくられます。 ●次にワクチンの有効性ですが・・・ インフルエンザに感染すると、潜伏期間はおよそ1日~3日です。 発症から5日間は感染力が残るため、自宅療養が必要になります。 ワクチン接種をすることで、健康な成人や小児において 発症リスクが約60%低下することが 確認されています。 高齢者や基礎疾患を持つ方においては、肺炎、心不全による入院や重症化リスクを大幅に軽減し、インフルエンザ関連死を 40%以上減少する効果があるとされています。 ●では、接種時期はいつが最適なのでしょうか・・・ 厚生労働省は毎年10月からの接種開始を推奨しています。 ワクチン接種後、抗体ができるまでに約2週間かかり、3~4ヶ月で最も効果が発揮されますが、6ヶ月には徐々に低下してしまいます。 流行のピークは、1月~2月が多いため、11月中のワクチン接種を お勧めします。 それに合わせて、新型コロナワクチンとの同時接種も可能です。 ●ワクチンには、不活化ワクチンと生ワクチンの2種類があります。 注射薬が不活化ワクチンです。 毒性や感染能力を失活させたウイルスから 免疫をつくる成分を取り出して作られています。 一方、生ワクチンとは、ウイルスの毒性を弱めて作られており、生きたウイルスで直接免疫をつくります。 生ワクチンは点鼻液ですが、2歳以上19歳未満が対象になります。 ●ワクチンの副反応としては、注射部位の赤み、腫れ、痛みなどの局所反応の頻度が高く、10~20%の方に起こります。 発熱、頭痛、寒気、倦怠感などの全身性の反応は、5~10%の方に見られます。 副反応は、通常2~3日で消失しますが、稀に、ワクチンに対するアレルギー反応が現れることもあります。 ●インフルエンザワクチンの予防接種には、任意接種と定期接種があります。 任意接種とは、個人の選択によって予防接種を行います。 生後6か月以上から13歳未満の場合は、2回接種します。 13歳以上の場合は、通常1回の接種となります。 定期接種とは、法律に基づき市町村が主体となり、65歳以上の方と、60歳~64歳で一定の基礎疾患がある方が1回接種できます。 ●インフルエンザワクチンの料金は、地域や医療機関によって異なりますが、一般的に3,000円~5,000円程度が予想されます。 ワクチン接種は予防であり、病気に対する治療ではないため、健康保険が適用されません。 小児と定期接種の対象者の方は、自治体からの助成制度を確認してください。 ●インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。 飛沫感染とは、感染した人の咳やくしゃみから ウイルスが飛散し、 健康な人が鼻や口から吸いこんで、感染します。 接触感染とは、ウイルスに直接触れたり、感染者が触れたものを介して間接的に感染します。 ワクチンには、発病や重症化リスクを予防する効果はありますが、 インフルエンザに絶対に罹らないという保障はありません。 感染対策として、マスクの着用、外出後の手洗いやうがい、換気と加湿、人混みを控えるなど、個人で心掛けてください。 ●インフルエンザに感染してしまったら・・・ インフルエンザウイルスの増殖を抑える 「抗インフルエンザ薬」を使います。 飲み薬、吸入薬、注射 がありますが、一般の薬局では買えません。 38℃以上の発熱や関節の痛みなど、インフルエンザに感染した可能性がある場合は、医療機関を受診し、適切な「抗インフルエンザ薬」を処方してもらいましょう。 子供がインフルエンザに罹ったときに注意したいのが 異常行動です。 例えば、突然外に出ようとしたり、飛び降りようとしたり、意味不明な事を言ったりなど・・・原因は、解明されていませんが、特に10歳前後の男子の頻度が高いようです。 少なくとも発熱後2日間は子供から目を離さないようにしてください。 ●最後に インフルエンザワクチンの供給は十分にあります。 インフルエンザの流行に備えて、早目にワクチンを接種して、この冬を健康に過ごしましょう。 ご清聴ありがとうございました。