オンライン診療と専門ナース
2026年7月放送皆様、おはようございます。 私は塙厚生病院で特定看護師として活動しております、金澤絵実と申します。 本日は、塙厚生病院で取り組んでいる「オンライン診療」と「専門ナース会」についてご紹介いたします。 最近、「オンライン診療」という言葉を耳にする機会が増えてきました。オンライン診療とは、高齢で病院に来ることが困難な患者さんや、交通機関の問題で通院が困難な患者さんが在宅に居ながら病院受診と同等の診察を受けられる診療です。塙厚生病院では、令和8年2月より「D to P with N」という仕組みを活用したオンライン診療を導入しています。 Dは医師、Pは患者さん、Nは看護師を意味しています。 通常は患者さんが看護師と一緒に在宅からタブレットを通じて医師の診療を受けますが、当院では在宅側に居るのが患者さんと訪問看護師で、病院側に居るのは医師と外来看護師という体制でおこなっています。訪問看護師は普段から患者さんの状態を把握しているため、診療時間の一時だけでなく、日常の中でおこっているちょっとした体の変化も医師へ繋げることが出来ます。 オンライン診療の良い所としては、看護師が一緒にいるので、安心して先生に相談できることや通院の負担を減らせることです。特に、当地域のような交通手段が限られている地域に住んでいる方でも、訪問看護を利用して安心して在宅に居ながら病院と同様の診察を受けることができます。 まだ始まったばかりですが、今までに約10名にご利用いただいています。担当医師2名と外来看護師、訪問看護師と協力して今後も実施していきたいと思っております。 ここで、実際にオンライン診療をご利用いただいている方をご紹介します。 自宅から病院まで約20キロ離れた山間部にお住まいの90代の方です。病院まで車で片道30分ほどかかります。この方は、新型コロナウイルス感染症のあと、体力が低下し自宅で過ごす時間が増えていました。ご家族も病院へ連れて行きたい気持ちはありましたが、通院による疲労が大きく、受診が難しい状況でした。 訪問看護を利用しながら体調管理を続けた結果、少しずつ元気を取り戻されましたが、病院での待ち時間や往復1時間の移動は大きな負担となっていました。 そこで、医師と訪問看護師と協力しオンライン診療を導入しました。現在は訪問看護師が体調を確認しながら1ヶ月に一度オンラインで医師の診察を受けています。画面越しにお会いする患者さんの表情はとても穏やかで、以前より笑顔が増え、デイサービスにも行けるようになりました。3ヶ月に一度は医師が訪問診療を行い、実際に対面で診察し定期的な検査も実施しています。 オンライン診療を開始したことで、住み慣れたご自宅で診療を受けられ、ご本人やご家族の安心につながっていると感じています。 このようにオンライン診療は、通院が難しい方にとって安心して医療を受け続けるための新しい選択肢の一つとなっています。当地域は高齢化率も高く、一人暮らしの高齢者も多くなっていることから在宅での医療の需要がますます増えてくると思います。今後も地域に寄り添った在宅医療を進めていこうと思います。 続いて、「専門ナース会」についてご紹介します。 専門ナース会は、それぞれの分野で専門的な資格を持つ看護師が連携し、患者さんやご家族を支えるチームです。 メンバーは7名で、皮膚・排泄ケア認定看護師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法認定看護師、精神看護認定看護師、リンパ浮腫療法士、そして瘻孔・栄養・水分管理の特定行為看護師が活動しています。 床ずれや傷、ストーマケア、がん治療中の副作用への対応、認知症やこころのケア、リンパ浮腫への支援、胃ろうや膀胱ろうの管理、在宅での点滴調整、訪問診療やオンライン診療など、それぞれの専門性を生かしながら、病院だけでなく、ご自宅や施設でも安心して療養生活を送れるよう支援しています。 「こんなこと相談してもいいのかな」と思うようなことでも、どうぞご遠慮なくご相談ください。 塙厚生病院では、医師や看護師、多くの職種が力を合わせ、地域の皆様が住み慣れた場所で安心して暮らし続けられるよう支援しています。 体調のこと、ご家族の介護のこと、在宅療養について不安や困りごとがありましたら、お気軽に塙厚生病院地域連携室までお問い合わせください。ホームページでも詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 これから暑さが本格的になります。農作業の際は、こまめな水分補給と休憩を忘れず、熱中症には十分お気を付けください。 最後までお聞きいただき、ありがとうございました。